ロシアは部分的な動員令を発動すると発表しました。この報道を受けて、ウクライナ情勢の長期化を懸念し、欧州経済への悪影響からEURが売られる展開となりました。ロシア国内ではかつてない反発が出てきており、状況次第ではプーチン大統領の失脚や早期終結の可能性が出てきました。ウクライナ情勢とともにEURの動きに注意したいと思います。
本日未明に発表されたFOMCの政策金利は、市場予想通り0.75%の利上げにとどまりました。1.0%利上げの可能性もありましたが、次回以降の利上げ分に含みを持たせることになりました。ドットチャートからは、年内には1.25%の利上げが想定されます。おそらく、次回も0.75%引き上げし、徐々に金融引き締め姿勢を弱め、来年には金融引き締め策は終了すると思われます。USDJPYは、利上げ発表時には円安が進みましたが、前回高値には届かずに反落しました。FRB議長の会見では、依然としてタカ派姿勢の維持を確認したため、USDの堅調が目立つ動きとなりました。
通貨相関からは、ロシアの動きを受けてEURが下落したことで、JPYとUSDの2強になりました。本日の日本銀行の金融政策次第では、USDの独歩高になる可能性もあります。USDJPYを除いたドルストレート通貨を軸に通貨選択を行いたいと思います。
本日は、昼頃に日本銀行の政策金利が発表されます。発表時間が定まっていないのは迷惑な話ですが、発表時間が遅くなるほど政策変更がある傾向にあります。早い時間に金融緩和継続と発表されれば円安が進む可能性があり、USDJPYは再び高値を見に行くかもしれません。逆に発表が遅くなれば、金融緩和からの脱却の可能性が高まり、一挙に円高方向に進む可能性もあります。金融緩和継続との見方が大勢ではありますが、レートチェックを実施するなど介入を示唆する動きもあり、金融緩和からの脱却を示唆する可能性も否定できないため警戒が必要です。16時30分に発表されるスイスではマイナス金利からの脱却が予想されます。もしスイスがマイナス金利から脱却すれば、日本だけが先進国の中で唯一残されたマイナス金利国となります。もしかしたら、唯一残されたマイナス金利国のポジションを回避するために、スイスの発表前にマイナス金利からの脱却もありうると穿った見方もできますが、可能性はほとんどないと思います。日銀総裁会見では、当然のように為替相場への見解の質問が出ます。日銀総裁は、為替相場に言及することはしませんが、少しでも関連した内容があればJPYへの影響は大きいと考えます。このため、日中のJPYの動きには警戒したいと思います。
また、20時には英国の政策金利が発表されますが、大幅な引き上げを予定しています。オーストラリアはエリザベス女王の死去に伴う休日のため金融市場は休場となります。