今日の環境分析 2022年8月11日

昨日は、米国の消費者物価指数の前までは小動きに推移しました。消費者物価指数が発表されると大きく動きました。前回の+9.1%から予想されていた+8.7%を下回る+8.5%となったことで、USDが大きく下落しました。前回までのFOMCで大幅に政策金利を引き上げたことがインフレ抑制につながったと判断されました。次回以降は0.75%の利上げを継続する可能性は低下し、0.5%程度の利上げになる可能性が高まりました。こうした動きがドル安につながり、クロス円通貨は大きく下落しました。しかし、EURUSDの値動きをみると、今回の消費者物価指数の数値を受けて上昇したものの、3月と6月の安値水準が抵抗となり反落しました。欧州経済の停滞懸念が続いているため、弱い通貨同士のEURUSDでは方向感のつかみにくい状況になりました。

通貨相関でも、その傾向がみられます。USDは日足・4時間足で最弱通貨になりました。EUR・GBPも弱い通貨群に位置しています。一方、AUD・NZD・JPYの強さが目立ちます。強弱が明確になってきたことで、これら通貨ペアの組み合わせに注目しています。USDやJPYの日足ベースの動きが、上位足につながる展開になるか注目です。USDJPYでは大きな方向転換の可能性も否定できなくなる局面が近づいてきました。

本日は、日本が祝日で休場のため日本時間は小動きに推移することになりそうです。欧州時間からは、昨日の米国消費者物価指数の内容をどう評価するかに注目です。本日発表の生産者物価指数にも注目が集まっていましたが、消費者物価指数での内容を受けてサプライズはなさそうです。USDを中心に米国経済や金融政策の方向性に注目度が再び高まってきました。

今日の環境分析 2022年8月10日

昨日は、本日の米国の消費者物価指数の発表を前に様子見気分が強く、ボラティリティが低下し小動きに推移しました。全般に、方向感のない展開が続いています。とはいえ収束する動きを強めているわけでもなく、トレンドの発生前の動きには程遠い状況にあります。夏休みで市場参加者が減少していることもあり、当面は大きなレンジ内の動きと思われます。

通貨相関からは、USDは4時間足で最強、日足で最弱通貨になっています。CADも同様の動きを示しており、4時間足の動きが日足に波及し、週足・月足方向へ回帰するのかどうか、今後の動きには注目です。EUR・GBP・JPYの弱さは継続しているため、USDの方向感が明確になるまでは、これら3つのメジャー通貨を軸に通貨選択をしたいと思います。

今日は、消費者物価指数の発表後の値動きに注意したいと思います。前回9.1%に対し予測値は8.7%と改善方向が予想されています。改善幅が予測値よりも大きい場合は金融引き締めの緩和方向が想定されドル安に向かうと思います。逆の場合にはドル高になります。発表を前に様子見を強めていたので、発表とともに方向感が明確になるため、その方向への動きを注視していきたいと思います。消費者物価指数の発表は、このところ雇用統計やFOMCの政策金利の発表と同じレベルの市場インパクトがあります。発表時間の21時30分前後は、すべての通貨で値動きに警戒しておきたいと思います。

今日の環境分析 2022年8月9日

先週末の米国雇用統計の予想外の数字を受けて始まった週明け相場は、USDの強さに直接つながることはありませんでした。明日の消費者物価指数の発表を前に大きく動けない状況にあり、欧米投資家の多くが夏休みに入っているため積極的な動きにはつながりにくくなっています。消費者物価指数の内容次第で大きく動く可能性は高いので、それまでは様子見の展開です。また、中国が軍事演習を継続していることで、東アジア情勢緊張の長期化が懸念されます。為替相場への影響はまだ大きくはありませんが、市場がどのような判断をしていくのか注視していきたいと思います。

通貨相関からは、JPYとGBPの弱さが目立ちます。上位足から下位足まで方向感が揃っているため、関連通貨を選択したいと思います。また、AUDの強さが目立ってきました。NZDとともに投資妙味の高い通貨であると思います。マイナー通貨の中ではAUD・NZDの強さに対しCADの弱さが目立ってきました。同じマイナー通貨でも通貨選択を間違えることのないようにしたいと思います。

本日は、米国で3年債の入札がある程度で、大きなイベントは予定されていません。明日の消費者物価指数の発表を前に、小動きの展開が想定されます。今日は様子見で臨みたいと思います。

今日の環境分析 2022年8月8日

先週末の米国雇用統計は、市場予想を大きく上回る結果となりました。米国の景気減速を否定する動きが強まり、USDが大きく上昇しました。再び、インフレピーク感を否定し、今後も大幅利上げが継続するとの見方が強まりました。USDJPYは135円台に乗せ、クロス円全般に上昇しました。週明けの為替市場は、懸念していた中国の軍事演習の影響はなく、大きく窓開けすることもなく、おとなしい展開で始まりました。

通貨相関からは、雇用統計を受けたUSDの強さが目立ちました。USDは日足では最弱通貨になっていることから、4時間足の動きの継続性に注目です。JPYの強さに一服感が出てきていることから、短期的な動きが日足に波及してくるようだと、USDJPYは再び140円を目指す動きも想定されます。GBPは上位足から下位足まで弱さが継続していることから、GBPを軸にした通貨選択をしていきたいと思います。

今週は、水曜日に米国の消費者物価指数と10年債の入札、木曜日に米国の生産者物価指数の発表が予定されています。物価指数の動向によってはインフレピーク感の見方に変化がみられるかもしれません。また、米国の長期金利の動向にも注目されており、水曜日の10年債入札の状況次第では、日米金利差をみたUSDJPYの動きにも影響を強める可能性は高いと思います。
欧米の多くの投資家は夏休み入りしています。市場の流動性の低下も想定されるため、ボラティリティの変化には警戒しておきたいと思います。
中国による東アジア情勢の緊張感の高まりの影響には注視しておきたいと思います。

デイトレードの成績上位6通貨_2022年8月第1週

今月から、デイトレードの前週分の一部を公開します。デイトレードの実績については画面上部の固定ページを参照ください。
デイトレードのノウハウとなる部分についてはチャートから削除しています。ノウハウは個別コンサルティングにて提供しています。ご興味のある方は、お問合せください。


先週は、12通貨合計で+663.1pips、上位6通貨で+662.7pipsとなりました。全体で19回トレードし、14勝5敗、勝率73.7%となりました。水曜日には、3回のトレードすべてが負けになるなど、負けが多かった印象のある週でした。また、EURUSD・EURCADはトレードがありませんでした。

スワップ一覧_2022/8/6(Axiory/BigBoss/XM/Titan)

今週は、英国が0.5%の利上げを行い、先週の米国の利上げとともに、スワップポイントに反映されました。大きなマイナススワップポジションが継続していることから、スイングトレードにおける通貨選択の際の支障になっています。マイナススワップに対してプラススワップの水準は低いため、スワップに注目したトレードがしにくい状況にあります。

今日の環境分析 2022年8月5日

昨日、英国中央銀行は0.5%利上げを決定し、この利上げ幅は27年半ぶりの大幅なものとなりました。急激なインフレに対応し、6会合連続の利上げとなりました。同時に発表した金融政策報告書では、10-12月期から景気後退局面入りとの見通しを発表しました。欧州とともに英国経済の先行き不安が高まってきています。
中国の台湾周辺での軍事演習など、米中間の緊張の高まりに警戒が必要です。日曜日まで予定されている軍事演習に関連し、新たな懸念材料が発生する可能性も否定できません。今晩は米国雇用統計の発表もありますが、中国情勢の方がUSDへの影響度を強める局面と判断しています。

通貨相関からは、弱さが継続しているGBP以外の通貨は、日足と四時間足の方向性の強弱の差がみられます。全般に、方向感のない展開が続いており、すべての通貨ペアがレンジ内の動きと判断することができます。個別に収束する動きもほとんど見られず、新たなトレンドの発生は期待できない状況にあります。週末でもあることから、全般に見送り姿勢で臨みたいと思います。

本日は、米国の雇用統計に注目です。最近は、雇用統計にサプライズが少なく、小売売上高や消費者物価指数など、雇用関係から消費者動向に注目が集まっているように思われます。しかし、米国の金融政策の方向性を判断する最重要指標の一つなので、動向に警戒したいと思います。また、同時に発表されるカナダの失業率にも注目です。
経済指標以上に、中国の軍事行動に警戒しています。週末の動向には注意しておきたいと思います。想定外の展開も可能性がゼロではないと認識しておくべきと考えます。その場合、週明けは窓開けの展開が想定されるので、週またぎのポジションは保有しないようにしたいと思います。

今日の環境分析 2022年8月4日

昨日は、米国ISM非製造業景況指数が予想を上回り、再び金融引き締めに着目した動きが強まりドル高の動きになりました。USDは、米中緊張という新たな材料が出てきましたが、現状は米国金利の動向の影響を強く受けているようです。全般に小動きになっており、日足・4時間足ともにトレンドを確認することができません。クロス円通貨のボラティリティの高さが突出しており、レンジ内の大きな動きになっています。

通貨相関からはJPY・USD・AUDなど、日足と4時間足の逆行の動きが目立ちます。日足のみが月足・週足・4時間足と方向感の違いを示しています。日足の方向感が継続し上位足へ影響を与えるのか、4時間足の動きが日足に波及していくのか注目しています。EUR・GBPは継続して上位足から下位足まで揃って弱い状況が続いています。方向感をつかみやすいEUR・GBPを軸に通貨選択をしたいと思います。

本日は、英国の政策金利の発表に注目です。金融引き締めを継続していますが、英国経済の先行き不透明感が強まっているなか、大幅な利上げを想定するのは難しい状況にあります。政策金利の発表後に行われるBOE総裁の記者会見では、景気と金融政策のバランスをどのようにとるのかコメントに注目したいと思います。また、カナダとオーストラリアの貿易収支も発表されます。実需の為替相場に直結する指標なので注意しておきたいと思います。

今日の環境分析 2022年8月3日

昨日、オーストラリア中央銀行が政策金利を0.5%引き上げ、4回連続の利上げとなりました。市場は大幅な利上げを期待していたのか、発表直後にAUDは下落しましたが、レンジ内の動きで推移しています。USDは、このところ続いていた下落局面から、米国下院議長の台湾訪問の確認、金融当局の発言などを受けて反発しました。中期的な金融当局の金融引き締めの継続方針と、景気実体から判断される長期的な金融緩和への転換の可能性の高まりの綱引きになっています。台湾に関連する地政学リスク、中国の軍事的な反応など、目先の東アジア情勢の緊張は高まっており、円高への後押しになっていると判断しています。中国の動向次第では、円高継続もしくは円安回帰など、方向性が決定づけることになると思われます。エネルギー問題を背景とした欧州経済の停滞が顕著になってきており、EURは十分にその実態を反映していないように思われます。EURUSDのパリティ割れを再度試しに行く可能性が高いと判断しています。

通貨相関からは、JPYの短期的な強さを除き、方向感のない展開となっています。前日に方向感を示した通貨でも、昨日には否定する動きになるなど、通貨選択が難しい局面となっています。下位足の動きが短期的な調整なのか、上位足に波及するのか注視していきたいと思います。

本日は、米国のISM非製造業景況指数に注目です。週末の雇用統計とあわせ、今週の重要な経済指標となります。米国経済の現状を判断できることから、今後の金融政策の方向性を示唆する内容になるか注目しています。また、オーストラリアの小売売上高、中国の財新サービス業PMIにも注目です。中国の台湾に関連する動向には最も注意したいと思います。

今日の環境分析 2022年8月2日

昨日発表された米国ISM製造業景気指数は、2か月連続のマイナスとなり、景気後退の兆しの確認することとなりました。インフレ圧力の低下や米国金利の利上げペースの緩和、米長期金利の低下などからドル安につながっています。本日予定されている米下院議長の台湾訪問に伴う米中関係の緊張感の高まりから、リスク回避の円高の動きが加わり、USDJPYは上値の重い展開となっています。クロス円通貨全般に大きく下落し、日足に波及してきました。多くが週足のミドルバンドを下抜ける動きを見せており、中期的な下落姿勢を強めつつあります。ドイツでは、物価高騰の影響を受けて小売売上高が過去最大の下落となりました。欧州経済全般の停滞を示していると思われ、EURの弱さにつながると考えています。

通貨相関からは、JPYの強さ、USDの弱さが顕著となっており、USDJPYは4時間足で最弱通貨になっています。クロス円通貨の弱さ、ドルストレート通貨の強い動きが続いています。EURの弱さも継続しています。メジャー3通貨の方向性が明確になってきているため、これらの3通貨を軸とした通貨選択が望ましいと考えています。また、NZDの戻りの動きも目立ちます。

本日は、オーストラリアの政策金利の発表に注目です。金融引き締めの継続姿勢を強めていますが、利上げ幅に注目が集まります。また、米下院議長の台湾訪問に伴う米中関係の緊張感の高まりは、円高への動きの加速につながるか警戒しておきたいと思います。