今日の環境分析 2022年8月3日

昨日、オーストラリア中央銀行が政策金利を0.5%引き上げ、4回連続の利上げとなりました。市場は大幅な利上げを期待していたのか、発表直後にAUDは下落しましたが、レンジ内の動きで推移しています。USDは、このところ続いていた下落局面から、米国下院議長の台湾訪問の確認、金融当局の発言などを受けて反発しました。中期的な金融当局の金融引き締めの継続方針と、景気実体から判断される長期的な金融緩和への転換の可能性の高まりの綱引きになっています。台湾に関連する地政学リスク、中国の軍事的な反応など、目先の東アジア情勢の緊張は高まっており、円高への後押しになっていると判断しています。中国の動向次第では、円高継続もしくは円安回帰など、方向性が決定づけることになると思われます。エネルギー問題を背景とした欧州経済の停滞が顕著になってきており、EURは十分にその実態を反映していないように思われます。EURUSDのパリティ割れを再度試しに行く可能性が高いと判断しています。

通貨相関からは、JPYの短期的な強さを除き、方向感のない展開となっています。前日に方向感を示した通貨でも、昨日には否定する動きになるなど、通貨選択が難しい局面となっています。下位足の動きが短期的な調整なのか、上位足に波及するのか注視していきたいと思います。

本日は、米国のISM非製造業景況指数に注目です。週末の雇用統計とあわせ、今週の重要な経済指標となります。米国経済の現状を判断できることから、今後の金融政策の方向性を示唆する内容になるか注目しています。また、オーストラリアの小売売上高、中国の財新サービス業PMIにも注目です。中国の台湾に関連する動向には最も注意したいと思います。