本日未明に発表されたFOMCの米国の政策金利は、市場予想通りの3会合連続見送りとなりました。ドットチャートからは、2024年末のFFレート(フェデラルファンドレート)を4.6%と、2024年に3回の利下げを見込んでいます。9月のFOMCにおいては2024年末を5.1%と見込んでいたため、前回よりも0.5%と2回分の利下げ分が見通されたことになります。2025年末には3.6%、2026年末は2.9%と見通しており、米国経済は金利低下局面入りすることが確実になりました。FRB議長は、景気の先行きを見守る姿勢を維持し、過度な利下げ期待を牽制したものの、明らかにハト派的発言との見方がされました。利上げ終了を示唆し、利下げタイミングを議論した点も明らかにしました。これをうけて、市中金利である長期債金利は急落し、金利低下を好感したNYダウは史上最高値を更新しました。利下げ環境が醸成されてきたと思われます。市場全般では、USDが急落し、クロス円通貨の下落、ドルストレート通貨の上昇が目立つ展開になっています。USDJPYは12月7日の安値を見に行く動きを示しており、140円割れまでの下落の動きが想定されます。
(注:ドットチャートとは、FOMCメンバーがFFレートを将来の特定時期の予測をし、その予測ポイントをドットで示したチャートのことです。そのドットで示された中央値が注目されます。)
通貨相関からは、前日の調整から再びJPYの強さが回復し、USD・GBPの弱さが目立つ展開となりました。金利低下が確実視されているUSDの弱さは持続性のあるものと思われます。JPYの強さも持続していることから、JPYの買い、USDの売りを軸とした通貨選択をしたいと思います。EUR・GBPは本日の政策金利の発表を待ちたいと思いますが、USDと同じ流れになるのではないかと考えています。
日足 : JPY>NZD>AUD>CAD>GBP>EUR>USD
4時間足 : JPY>AUD>EUR>CAD・NZD>GBP>USD
本日は、欧州ECBと英国BOEの政策金利の発表が最大の注目です。米国FOMCにおいて利下げの可能性が高まったことで、ECB・BOEにおいても利上げ見送りや利下げの示唆があるのではないかと思われます。インフレ減速が確認できる状況で、景気悪化を回避したいとすれば、必然的に金融政策は引締めから緩和へと転換すると思われます。FOMC後のUSDの流れに沿って、EUR・GBPも政策金利の発表を前に、USDと同様の展開を想定する動きが出てくるものと思われます。欧州時間の開始から動き出す展開があれば、EUR・GBPの値動きには警戒したいと思います。また、発表内容を確認した後の展開にも警戒しておきたいと思います。
そのほか、米国の小売売上高と新規失業保険申請件数にも注目です。当ブログではカバー通貨対象としていませんが、政策金利の発表されるスイスフランの動きにも注意したいと思います。