昨日は、米国が祝日で休場だったため、米国時間のボラティリティは急低下しました。日本も祝日だったため、日本時間も同様に低いボラティリティとなりました。日を通して小動きに推移し、方向感のつかみにくい状況となりました。ドイツ憲法裁判所は、コロナ対策で使われなかった予算の転用は違憲と判断しました。ドイツの新たな財政支出は全面凍結されることになりました。2024年の予算審議が先送りとなったことで、予算案の大幅見直しが必要となりました。当面の財政支出を制限されたことで、ドイツ経済の長期低迷が懸念されます。昨日発表された10月に開催されたECB議事要旨は、必要なら追加利上げの準備があると従来からと同様の内容でしたが、欧州経済のリード役となるドイツの景気低迷となれば、追加利上げの可能性は極めて低くなります。堅調に推移してきたEURの先行きへの不安材料と判断しています。
通貨相関からは、JPY・USD・EURの弱さが目立ちます。USDにつれて弱かったCADは反発の動きを見せています。AUDの強さが弱まり、NZDの強さが際立つことになりました。GBPは中立的な動きになっています。メジャー通貨全般の弱さから、これら通貨を軸にした通貨選択をしたいと思います。
本日は、日本の全国の消費者物価指数に注目です。市場予想の3.4%から乖離した数字の場合、大きくJPYが動く可能性が高いので警戒したいと思います。3%台であれば年明けからの金融引締め期待からJPYが強含むことを想定しておきたいと思います。また、ドイツのIFO景況指数に注目しています。ドイツの予算案の見直しを迫られている中、ドイツ経済の現状把握が必要とされます。さらに、米国のPMIやカナダの小売売上高にも注目です。ただし、米国は感謝祭翌日のブラックフライデーにあたるため、金融市場は短縮取引となります。FX市場においても昨日同様、米国時間は閑散になるものと思われます。