週末金曜日は、欧米各国地域でPMIが発表されました。フランス・ドイツ・EUの悪さが目立ち、欧州全域での景気悪化懸念からEURの下落につながりました。ドイツでは、未使用分のコロナ予算転用の違憲判決を受けて、EV補助金が1年前倒しで廃止されます。ドイツの製造業の中核をなす自動車産業への影響の大きさから、欧州経済全般への停滞懸念が強まるものと思われます。こうした点からもEURの弱さにつながっているものと思われます。
通貨相関からは、JPYの強さが継続しています。USDの弱さに加え、EUR・GBPの弱さも目立つようになってきました。JPY以外のメジャー通貨では金利引き下げが視野に入ってきたため、ファンダメンタルズからの売り姿勢が強まっています。JPYを除くメジャー通貨の弱さを受けて、相対的にマイナー通貨全般が堅調な展開になっています。JPYの買い、JPY以外のメジャー通貨の売りを軸にした通貨選択を行いたいと思います。
日足 : JPY>NZD>CAD>AUD>GBP>USD>EUR
4時間足 : JPY>AUD>CAD>NZD>GBP>EUR>NZD
今週は、火曜日の昼頃に発表される日本銀行の政策金利の発表が最大の注目材料となります。先週までで米国FRB・英国BOE・ECBが政策金利の据え置きを発表しました、来年の利下げを示唆するなど、金利低下への金融政策の転換が近づいています。対する日銀は金融引き締めに向けた政策転換への警戒感が強まっています。政策金利の修正はないとの市場判断ですが、声明文や総裁会見の場においてタカ派的な内容がでてくる可能性は高いと判断されています。このため、先週に続き一段と円高への警戒感が強まるものと思われます。今週は、そのほかにカナダや英国の消費者物価指数・小売売上高や、米国のPCE デフレーターに注目です。週末金曜日はクリスマスを前に米国の金融市場は短縮取引となります。来週月曜日はクリスマスのため、日本以外の主要各国は祝日となります。火曜日も日本と米国を除く主要国ではクリスマス翌日の祝日となります。金融市場が休場となるため、金曜日の米国時間から火曜日の欧州時間まで、FX市場は閑散な展開が想定されます。今週火曜日の日銀の政策金利発表後の動きが一段落すれば、来週のクリスマス休暇明けまでは見送り姿勢を強めるものと思われます。
本日は、注目すべき材料はないため、明日の日銀の発表を前にJPYに動意づくのか注意しておきたいと思います。