今日の環境分析 2023年12月15日

 昨日、欧州ECB・英国BOEはともに政策金利の利上げを見送りました。ECB総裁は会見において、インフレ再燃への懸念や利下げは全く検討していないとコメントしました。EURは、先週までに来年の利下げ分を前倒しで下落してきたので、反動の動きが強めてきました。利下げに言及したFRBとの金融政策の違いが明確になったことで、EURUSDの大きな上昇につながりました。GBPUSDも同様の動きとなりました。また、米国の11月の小売売上高は、前月比+0.3%と予想の-0.1%を上回り、米国経済の底堅さを確認する結果となりました。 

 通貨相関からは、JPYの強さ、USDの弱さが継続しています。USDにつれてCADの弱さも目立つ動きになっています。一方、EURは目先の反発の動きから相対的な強さが高まりました。昨日のECB・BOEの金融政策の方向性から、USD対比での強さを当面は維持することになると思われます。明確な強弱を示しているJPYの買い、USDの売りを軸にした通貨選択を継続したいと思います。

 日足   : JPY>NZD>AUD>GBP>CAD>EUR>USD
 4時間足 : JPY>EUR>AUD>GBP>NZD>CAD>USD

 本日は、欧米各国地域のPMIが発表されます。本来注目される指標ですが、昨日・一昨日に金融政策を発表した直後のため、従来ほどでの市場インパクトは低いと考えています。ただし、速報性の高い指標であるため、内容次第では利下げ時期を探る動きが強まることもあるので注意しておきたいと思います。このほか、中国の鉱工業生産・小売売上高にも注意したいと思います。

コメントを残す