今日の環境分析 2023年12月11日

 週末金曜日に発表された雇用統計は、非農業部門の就業者数は+19.9万人と市場予想の+18.0万人を上回り、失業率は3.7%と市場予想の3.9%を下回りました。労働市場の堅調さを確認する結果となり、早期利下げ観測が後退しました。これを受けて、USDが反転する動きを強め、USDJPYは145円近辺まで上昇しました。木曜日に大きく動いた後だけに反発の動きは想定内ですが、予想外に戻りが鈍い印象を受けます。大きなトレンドの転換を意識しておく必要があると思われます。

 通貨相関からは、JPYの強さ、EUR・GBPの弱さが継続しています。USDは比較的堅調な位置づけのため、USDJPYの戻りの鈍さを確認することができます。EUR・GBPは上位足を含めて弱い通貨群に位置しているため、弱い展開は持続するものと思われます。JPYの買い、EUR・GBPの売りを軸に通貨選択をしていきたいと思います。
 通貨相関表の見方が分からないとの意見をいただきましたので、強い順に並べてみました。
左側の強い通貨を買い、右側の弱い通貨を売る、そんな組み合わせを検討してみてください。

 日足  : JPY>NZD>AUD>GBP>CAD>EUR>USD
 4時間足 : JPY>AUD>USD>CAD>NZD>EUR>GBP

 今週は、火曜日以降、非常に重要な経済指標の発表が続きます。火曜日は米国の消費者物価指数、水曜日(日本時間木曜日未明)は米国FOMCの政策金利、木曜日は英国BOE・欧州ECBの政策金利が発表されます。市場へのインパクトが非常に高いので、各中央銀行総裁の会見内容とともに警戒しておきたいと思います。各中央銀行の政策金利は、ともに据え置きが予想されています。FOMCの声明文で利下げに言及しているのか、ECBが早期の利下げに踏み切る準備があるのかに注目したいと思います。そのほか、火曜日の英国の失業率・ドイツのZEW景況感調査、水曜日の日銀短観・英国のGDP・米国の生産者物価指数、木曜日のオーストラリアの失業率・米国の新規失業保険申請件数と小売売上高、金曜日は欧米各国・地域のPMIなど、どれもが市場へ影響を与えると思われるので、警戒したいと思います。本日は、重要な経済指標はありません。先週末の雇用統計を受けての動きに注意したいと思います。明日の米国の消費者物価指数、明後日のFOMC政策金利を控えて、方向感を探るのが難しい展開を想定しています。