今日の環境分析 2023年12月6日

 昨日、オーストラリア中央銀行は政策金利を発表し、事前予想通りの4.35%に据え置きました。据え置きを発表したことでAUDの売りが加速し、AUDJPYは前日比2%の下落となりました。11月の東京都区部の消費者物価指数が発表され、前年同月比+2.3%の106.0と27か月連続のプラスとなりました。伸び率は10月の+2.7%より減速しているものの、インフレ懸念の増大により日銀の金融政策変更への後押しになっていると思われます。米国では、雇用動態調査(JOLTS)求人数が発表され、市場予想の930万人を大きく下回る873.3万人と、2021年3月以来の低水準となりました。労働市場の需給ひっ迫の緩和と判断され、長期金利の低下を招きました。同時刻に発表された11月のISM非製造業景況指数は、前月比+0.9の52.7と市場予想の52.0を上回りました。

 通貨相関からは、USDの底打ちの動きが継続しました。JPYの強さも継続しているため、USDJPYは動きにくい状況にあります。AUD・EURの弱さが継続しており、GBPも軟調な展開が続いています。強かったNZDは調整の動きがみられ、AUDとともに軟調な展開が想定されます。USDJPY以外のクロス円通貨やドルストレート通貨は素直な反応になっていることから、これら通貨に注目したいと思います。

 本日は、カナダの政策金利に注目です。昨日のオーストラリア同様に、据え置きが見込まれていますが、声明文に注目したいと思います。主要国の中で早めのアクションを取ることが多いため、来年の利下げ時期を示唆する内容になるのか注目しています。長期にわたって弱かったCADに足元では調整の動きが見られており、調整から反転に向かうのか弱さが継続するのか、本日の声明文の内容次第では大きく動く可能性があるため警戒したいと思います。また、
英国中央銀行の金融安定報告書の発表にも注目です。今後の金融政策の判断材料として重要な位置を占めるため、その後の総裁会見の内容とともに、GBPの動きに注意しておきたいと思います。さらに、ADP全米雇用報告にも注目です。昨日発表されたJOLTS求人数よりも指標としての信頼度は高いため、週末の雇用統計を推察することにつながります。USDの動きを注視したいと思います。