今日の環境分析 2023年12月4日

 先週末金曜日は、FRB議長の発言が注目されていました。金融政策は制限的領域に移行したものの、利下げ時期の判断は時期尚早と、市場の予想通りの内容でした。しかし、市場では今月のFOMCにおいて利上げ見送り継続が決定的との判断から、米国債券金利は来年の利下げを見込む動きが強まり低下しました。また、米国の11月のISM製造業景況感指数は、13か月連続で景気判断の分岐点とされる50を割れる46.7となり、市場予想の47.6をも下回りました。米国景気の減速懸念が強まっています。こうしたことから、ドルは売られる展開となり、USDJPYは先月末の安値を下抜けてきました。ドルの一段安が見込まれる一方、急激な長期金利の低下への反動からドルの反発に警戒する動きも出てきています。

 通貨相関からは、JPYとNZDの強さが継続しています。メジャー通貨はJPY以外は弱い展開が続いており、足元ではEUR・GBP・USDの順に弱くなっていることを確認できます。EURGBPをみるとGBP対比でのEURの弱さが継続していることから、おなじメジャー通貨間の強弱関係は顕著になっています。USDの弱さも継続していますが、先に述べたように急激な金利低下への反発を警戒する動きがあることから、弱気一辺倒で判断するのは難しいと思われます。EUR関連通貨の売りやクロス円通貨の売りを軸とした通貨選択をしたいと思います。
 個別通貨ペアでは、最も強いNZD関連通貨の強さが目立ちます。上位3通貨は、NZDUSD・NZDCAD・NZDJPYとすべてNZD関連通貨が占めています。下位3通貨は、EURNZD・GBPNZD・EURJPYとなっています。NZD・JPYの強さを反映した通貨ぺアが市場のけん引役となっています。

 今週は、金曜日の米国の雇用統計の発表が最大の注目です。米国では、金曜日の雇用統計の発表を前に、火曜日のJOLTS求人数、水曜日のADP全米雇用報告、木曜日の新規失業保険申請件数と、多くの労働統計が発表されます。これらの内容次第ではドルは大きく動く可能性があるので、週を通して労働関連統計には注意したいと思います。また、火曜日のオーストラリアと水曜日のカナダの政策金利にも注目です。金利据え置きと見込まれますが、金融政策の発表の際の声明の内容に警戒したいと思います。利下げを示唆する内容があれば、大きく動く可能性もあるので注意したいと思います。
 本日は、ECB総裁の発言が予定されています。米国ではブラックアウト期間に入ったため金融当局の発言はないので、経済指標には敏感に反応するものと思われます。週末米国時間での動きを日本時間では消化する展開になると思われるので、欧州時間からの動きに注目しています。

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