本日未明に発表された米国の地区連銀経済報告(ベージュブック)では、10月以降の経済活動の鈍化を確認しているとしました。労働市場は緩和してきており、物価は高止まりしているものの、多くの地区で大幅に減速しています。今後の地区経済の見通しは悪化しており、12月のFOMCに向けて、利上げ見送りを裏付ける内容となりました。昨日発表された米国の
GDP改定値では前年同期比+5.2%と市場予想の+5.0%を上回りましたが、個人消費が下方修正されました。景気過熱から停滞懸念へと変わってきているため、米国金利は低下基調が続いています。これがドルの下落につながっています。ニュージーランドでは政策金利が発表され、7月会合以来4会合連続で据え置きとなりました。物価の高止まりは弱まってきており、追加引き締めの可能性はみられません。
通貨相関からは、NZDの強さが継続しています。利上げ見送りは事前予想通りであったことから、反応は鈍いものとなりました。下位足ではJPYが最強、USDが最弱になっているため、USDJPYの弱さにつながっています。前回安値を下回った後は反発したものの下落基調は続いていると考えています。CADはUSDにつれて弱さが継続しています。EURは弱さを継続しており、GBPは中立的な動きになっています。JPYの買い、USD・EURの売りを軸とした通貨選択を継続したいと思います。本日から、適宜、通貨ペア別の強弱についても言及しようと思います。朝7時の段階では、4時間足ベースでは、NZDUSD>GBPUSD・NZDCAD>AUDUSD・GBPCADの順に強く、USDJPY<CADJPY<EURJPY<AUDJPY・EURNZDの順に弱くなっています。ここからも、USD・CADの弱さ、JPY・NZDの強さを確認することができると思います。
本日は、EUの消費者物価指数に注目です。あわせてECB総裁の発言も予定されており、欧州経済の状況確認をしたいと思います。足元のEURの弱さを裏付けるものなのか、内容次第では一段安の可能性に警戒したいと思います。また、米国ではPCEデフレーターと新規失業保険申請件数にも注目です。個人消費の動向と労働市場の状況を確認できる重要な指標であり、同時刻に発表されることからUSDの値動きには警戒したいと思います。また、カナダのGDP、中国のPMIにも注意したいと思います。