今日の環境分析 2023年11月29日


 昨日は、注目していた日銀の「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」が発表されたものの、サプライズはありませんでした。しかし、円高基調が継続し、USDJPYは11月21日の安値水準の147円台半ばまで下落しました。余談ですが、よくよく考えると、こんな長いタイトルの指標では市場の注目は限定的です。名称変更されるか、略称が浸透するかしないと市場への影響度は限定したものにとどまると思います。
 米国では、12月12-13日に開催されるFOMCにおいて政策金利が発表されます。FOMCの開催を前に、12月2日からFRB高官の発言が禁止されるブラックアウト期間に入ります。このため、先週から今週にかけて、FRB理事や各地域の連銀総裁の発言が相次いでいます。昨日は、FRB高官からハト派的発言があり、金融引き締めの終了を示唆しました。これを受けて市場金利が低下するなど、米国金利のピークアウト感が強まっています。
 結果として、日米金利差縮小との判断から、USDJPYの下落につながっています。市場全般にはボラティリティが高まってきています。月末付近ではあるものの、トレンドを確認できる通貨ペアが増えてきたことから、市場にはポジティブに臨める状況になってきました。

 通貨相関からは、JPYの強さが継続しています。USD・EUR・CADの弱さは継続しています。AUD・GBPは中立的な動きになっています。NZDは強い動きを継続していますが、本日の政策金利の発表を見てから判断したいと思います。USD・EURの売り、JPYの買いを軸に通貨選択をしたいと思います。なかでも、JPYは11月21日の安値を割り込むと、きれいな下落トレンドを確認することができます。

 本日は、ニュージーランドの政策金利に注目です。オーストラリアとドイツの消費者物価指数にも注目したいと思います。また、米国ではベージュブックと呼ばれる地区連銀経済報告が発表されます。このところの各地域の連銀総裁の発言は、この報告書の内容を背景にしていると思われることから、報告内容への注目度が高まっています。内容次第では、次回のFOMCの方向性を決定づけるものと思われ、来年の利下げ時期を模索する動きが強まる可能性も否定できません。その場合にはUSDは一段と弱くなるものと思われるので、警戒しておきたいと思います。

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