本日未明に発表されたFOMCの議事要旨では、2%目標達成へのインフレ率低下が不十分であれば追加利上げとの意見で一致していることを確認しました。新たな材料はまったくなく、市場へのインパクトはほとんど見られませんでした。米国の中古住宅販売は、高金利を背景に13年2か月ぶりの低水準となりました。米国企業の決算発表が続いており、小売企業は決算見通しを引き下げています。この先の小売売上高の停滞が想定されます。USDJPYは147円台半ばまで下落した後、148円台まで反発しているものの、下落基調には変化がないものと思われます。FOMCの議事要旨にあるように追加利上げの可能性は否定できませんが、今は来年の利下げ時期に市場の関心が高まっています。一方、日銀はマイナス金利解除に向けて動き出しています。国内銀行は定期預金や住宅ローンの金利を引き上げていることがそれを表しています。日米金利の方向性の違いが、USDJPYの下落を裏付けるものと思われます。また、カナダの10月消費者物価指数は、前年比+3.1%と市場予想の+3.2%と若干下回りました。インフレ鈍化を確認する結果となり、来月6日発表の政策金利は据え置きとの見方が強まっています。
通貨相関からは、USDとともにCADの弱さが継続しています。先進国の中で先行してきた利上げは終わり、利下げ時期を模索する動きが通貨に反映しているように思われます。JPYが下位足では最強通貨となり、徐々に上位足に波及してきています。JPYは大きなトレンド転換を迎えていると考えています。EUR・GBPが軟調な展開になったことで、AUD・NZDの相対的な強さが目立ってきました。明日は、日米ともに祝日のためポジション調整の動きになると思われますが、方向性のはっきりしているUSD・JPYを軸に通貨選択をしたいと思います。
本日は、オーストラリアやカナダの中央銀行総裁の発言に注目です。利上げから利下げへの転換に向けたニュアンスを受け取れる内容があるのか警戒したいと思います。可能性は低いと思いますが、少しでもその兆候を確認できる場合、AUD・CADの値動きに注視しておきたいと思います。また、米国の新規失業保険申請件数にも注目です。米国の小売企業は来期の見通しを慎重にしているため、早めの人員計画を立てるものと思われます。年末に向けての人の動き、労働市場の動向には注意しておきたいと思います。