今日の環境分析 2023年11月20日

 週末金曜日に発表された英国の10月の小売売上高は、前年比-2.7%と市場予想の-1.5%を下回り、前月比でも-0.3%と市場予想の+0.3%からマイナスになりました。景気後退懸念が高まったとの見方が強まり、インフレ長期化による生活費の負担増大が消費者の財布のひもを締めているものと思われます。これをうけてGBP安の動きが強まりました。USDの弱さは継続しており、USDJPYは149円台半ばまで下落しました。市場全般では、ボラティリティが低下し小動きに推移しました。週前半のトレンドを否定する動きが強まったことから、再び、方向感のつかみにくい展開が続いています。

 通貨相関からは、JPYが下位足で最強通貨となりました。EURの堅調さは続いています。USDの足元の弱さは上位足に波及してきており、USD安の動きが強まりそうです。つれてCADの弱さも継続しています。AUD対NZD、EUR対GBPなど、近隣地域での通貨間の強弱が強まってきています。通貨選択の際には注意したいと思います。足元の動きを受けて、USD売り、JPY買いを軸に通貨選択をしたいと思います。

 今週は、火曜日(日本時間水曜日未明)に10月開催分のFOMC議事録公表が最大の注目です。そのほか、火曜日のカナダの消費者物価指数、木曜日の欧州各国地域のPMIや10月開催分のECB理事会議事要旨公表、金曜日の日本の全国消費者物価指数や米国のPMIにも注目です。また、週を通して主要国の金融当局高官の発言が続きます。木曜日は、日本と米国が祝日となります。金曜日は、米国では感謝祭翌日のブラックフライデーとして金融市場は短縮取引となり、実質的な休場状態になります。FX市場においても木曜日・金曜日と米国時間は閑散な展開が想定されます。このため、今週は水曜日までと割り切った取り組みが必要かもしれません。本日は、主要な経済指標の発表はないため、前週末のUSD安の動きが継続するのか注目したいと思います。