昨日発表された日本の第3四半期GDPは、前期比-0.5%となりました。物価高に伴う消費の停滞が主な要因です。輸入物価の抑制に向けて円高方向への金融政策にかじ取り変更を期待したいですが、まだ時間がかかりそうです。米国では10月の生産者物価指数が発表され、前月比-0.5%と市場予想を下回り、2020年4月以来の低下幅となりました。10月の小売売上高は前月比-0.1%と市場予想は上回るものの、7か月ぶりのマイナスに転じました。また、10月の英国の消費者物価指数は、前年比+4.6%と市場予想を下回り、インフレの動きが鈍化していることを確認しました。こうした動きを総合的に判断していくと、世界経済の停滞懸念が徐々に強まってきているものと思われます。その動きをいち早く示しているのが、USDの動きではないかと考えています。
通貨相関からは、USD・CADの弱さが継続するとともに、JPYの弱さも目立っています。EUR・GBPの強さは一服し、中立的な位置づけだったAUD・NZDの相対的な強さが目立つようになりました。メジャー通貨全般に弱い展開になっているものの、メジャー通貨内での強弱関係が明確になりつつあるので、通貨の組み合わせには注意したいと思います。USD・JPYを軸とした通貨選択をしたいと思います。
本日は、オーストラリアの失業率に注目です。また、米国の新規失業保険申請件数にも注目です。日本時間早朝に米中首脳会談が行われました。共同会見の内容に注目しています。中国経済の停滞が一段と顕著になってきているなか、経済面・軍事面で中国側がどのような姿勢を示すのかに注意したいと思います。また、米国では明日がつなぎ予算の期限になっています。政府の一部機関の閉鎖を回避できるのか、米国議会の動きに警戒したいと思います。本日も、欧米金融当局高官の発言が相次ぐので、その内容には注意したいと思います。