昨日、USDJPYは151円台後半に入り年初来高値を更新し、昨年10月以来の水準となりました。1990年以来33年ぶりの水準を意識する動きが出てきました。日銀のマイナス金利解除は賃上げが確認できる春までは期待できず、対するFRBは再度の利上げの可能性もある一方で利下げは来年半ばまで期待できないため、日米金利差を背景とした動きが続いています。
大手格付け会社3社のうちで唯一米国債を最高格付けとしていたムーディーズが、財政悪化を背景に最上位の格付けを維持するものの、格付け見通しを「ネガティブ」に引き下げました。今週金曜日には米国議会が合意している政府機関閉鎖をさけるための「つなぎ予算」が期限を迎えます。下院議長は来年2月までのつなぎ予算案を発表していますが、予算案が成立しないと一部の政府機関の閉鎖を招くことになり、格下げリスクが強まるものと思われます。金融市場の不安定警戒から、ドル安の動きに転じる可能性を否定できません。
通貨相関からは、USDの強さが継続しており、USDに連動してCADの強さを確認することができます。EURも堅調な動きが持続しています。AUD・NZDの弱さが目立つようになってきました。JPY・GBPは中立的な位置づけですが、軟調な展開になっています。USD・EURを軸に通貨選択をしたいと思います。
本日は、米国の消費者物価指数に注目です。内容次第で、次回のFOMCにおける利上げの可否を決定する要因になることが考えられます。消費者物価指数が市場予想との乖離があった場合には、USDの動きが加速することが予想されます。市場へのインパクトが大きいため、発表まではUSDには慎重な姿勢で臨みたいと考えています。また、英国の失業率にも注目です。GBPの動きに警戒したいと思います。本日も欧米金融当局高官の発言が相次ぐことから、その内容には注意する必要があります。