今日の環境分析 2023年11月6日

 週末金曜日に発表された米国の雇用統計では、雇用者数の伸びが15万人と市場予想の18万人から大きく下回り、米国の金融引締めの打ち止め感が強まりました。同時刻に発表されたカナダの雇用統計でも市場予想を下回りました。その後に発表された米国のISM非製造業景況指数は51.8と5か月ぶりの低水準となりました。景気停滞懸念が強まったことで長期金利が低下し、USD安の動きを加速しています。

 通貨相関からは、下位足でUSDが最弱通貨となりました。USDにつれてCADの弱さも目立っています。AUD・NZDの堅調さが続き、GBPは相対的な強さを確認することができます。JPYは対USDで反発の動きから最弱通貨を脱しました。EURは反落の動きを強めており、メジャー通貨全般に弱い動きになっています。AUD・NZDの強さを背景とした通貨選択をしたいと思います。また、USD安の動きからドルストレート通貨にも注目しています。

 今週は、火曜日のオーストラリア政策金利の発表や木曜日の10月末の日銀金融政策決定会合における主な意見が公表されます。また、同日(日本時間金曜日未明)のFRB議長の発言にも注目です。先週までと比べ、市場に大きなインパクトを与える経済指標の発表が少ないため、落ち着いた展開が想定されます。本日は、日銀総裁の発言に注目です。先週の金融政策決定会合において長短金利操作の柔軟性を高めた後だけに、総裁発言の隠れた真意を確認できるのか注目しています。依然として金融緩和継続と発言しているものの、金融緩和からの脱却の動きは明白なので、徐々に発言内容に変化が生じてくるものと考えているため注目しています。
 本日から米国時間は冬時間に入ります。このため、終値の表示は明日から日本時間朝7時時点のものに変更になります。