日本時間本日未明に発表されたFOMCの金融政策は、事前予想通りとなる2会合連続の利上げ見送りとなりました。その後のFRB総裁の記者会見では、データを忍耐強く見守ると述べるとともに景気後退の予測はないとの判断を示しました。追加の利上げを否定せず、利下げは現時点で考えていないと、従来の方針に変化は見られませんでした。先週発表された米国のGDPは堅調さを確認しているため、景気後退懸念が出てくるまでは金利高止まりを維持するものと思われます。しかし、昨日発表されたISM製造業景況指数は、市場予想の49.0を大きく下回る46.7となりました。景気の分岐点とされる50を12か月連続で割れていることから、米国経済の停滞に向けた動きが出てきているものと思われます。USDJPYは151円台後半まで上伸したものの、日本の金融当局からの為替介入への「スタンバイ」発言が出たことで150円台半ばまで反落しました。
通貨相関からは、AUDの強さが際立っています。下位足から始まった反転の動きは上位足に波及してきており、強さが持続する可能性が高まってきました。AUDにつれてNZDも徐々に動き出してきました。JPY の弱さが継続していますが、為替介入の可能性を考えると安易に売り方向に考えることができません。落ち着くまではクロス円通貨には見送りしたいと思います。EURは反落しGBPの弱さは持続しています。ともに景気停滞懸念が強まっている地域・国なのでファンダメンタルズ面からの弱さを裏付けています。本日のBOEの政策金利の発表を確認した後、GBPの弱さに注目したいと思います。
本日は、英国BOEの政策金利の発表に注目です。英国経済の停滞懸念が強まっていることで金利据え置きと想定されます。BOE総裁の発言内容に注意したいと思います。また、本日は米国の新規失業保険申請件数が発表されます。明日の米国の雇用統計の発表を前に、大きな変化が起きるのか注目しています。
中東情勢の進捗が見られません。ウクライナ情勢も膠着しています。この2つの地域は、エネルギーと農産品価格に大きな影響を与えています。一段と悪化するようだと、エネルギー価格や食料品価格が上昇し、鎮静化がみられつつある世界的なインフレが再度加速する可能性を否定できません。こうした懸念がAUDの強さに表れているのかもしれません。