昨日発表された米国の第2四半期実質GDP改定値は、前期比年率で+2.1%と速報値の+2.4%から下方修正されました。ADP全米雇用報告でも+17.7万人と市場予想+19.5万人を下回る結果となり、昨日に続き利上げ警戒感が一段と緩和されました。これを受けてUSDは軟調な展開となりました。2日続きの労働統計の下振れは、USDの動きに過剰な影響を与えているように思われます。今日・明日と注目すべき労働統計の発表が続くため、この動きは継続するものとして警戒しています。
通貨相関からは、下位足でUSDの弱さが継続し、上位足にも波及してきています。JPYの弱さも継続していることから、USDJPYを除くクロス円通貨の堅調な展開を確認することができます。AUDの反転の動きが強まっており、EUR・GBPも相対的な強さを維持しています。米国の労働統計の結果に過剰な反応を示しているUSDは判断しづらい動きになっています。このため、EUR・GBPを軸に通貨選択をしていきたいと思います。
本日は、ユーロ圏の消費者物価指数に注目です。欧州経済のインフレ状況を確認し、今後のECBの金融政策の行方に影響を与える結果になるのか注意したいと思います。また、米国の新規失業保険申請件数やPCEデフレーターにも注目です。このところの米国経済指標の発表は市場への影響を高めているため、警戒したいと思います。さらに、中国のPMIにも注目です。中国経済の停滞が各方面に悪影響を与えている中で、足元の景気判断から世界経済への影響を再確認したいと思います。本日は8月最終日となります。明日に米国の雇用統計を控えているだけに、月末のポジション調整の動きは強まると想定されるため、値動きには注意しておきたいと思います。
今日の環境分析 2023年8月30日
昨日は、当欄で可能性が低いとコメントしたサプライズがあり、市場は大きく反応しました。米国の7月のJOLTS雇用動向調査では求人数が882.7万人と市場予想の946.5万人を大きく下回り、加えて6月の求人数を大幅に下方修正しました。労働市場の逼迫緩和を確認することになり、長期金利が低下し利上げ警戒感が緩和されました。USDJPYは147円前半まで上昇していましたが、JOLTS求人数と同時に発表された消費者信頼感指数も悪化したこともあり、145円台まで急落しました。市場のボラティリティは急速に高まり、下位足では多くの通貨ペアにトレンドを確認することができる状況になりました。
通貨相関からは、USDの急落を受けて下位足では最弱通貨になりました。上位足では最強通貨に位置しているため、足元の動きが継続し上位足に波及してくるのか注目です。USDの急落に対して、オセアニア通貨の反発が目立っています。EUR・GBPは中立的な位置づけになっています。短期的にはオセアニア通貨の反発の動きをみた通貨選択をしたいと思います。収束の動きを強めているとコメントしましたが、半分の通貨ペアは収束から発散に向かいトレンドが発生しました。まだ収束を続けている通貨ペアの発散も近いと思われるので、警戒を怠らないようにしたいと思います。
本日は、オーストラリアとドイツの消費者物価指数に注目です。市場のボラティリティが高まってきているため、ともに発表時のAUD・EURの動きに警戒したいと思います。昨日の労働統計の第1弾では労働市場の過熱解消を確認したことから、本日以降の雇用統計までの労働統計で同様の結果となれば、年内の追加利上げが遠のく可能性が高まってきます。雇用統計までの労働統計の内容には注意したいと思います。本日は、ADP全米雇用報告が発表されます。発表直後に第2四半期GDPも発表されるため、USDのボラティリティは一段と高まるものと思われます。十分に値動きに警戒したいと思います。
今日の環境分析 2023年8月29日
昨日は、前週末のジャクソンホール会議においてサプライズになる発言がなかったことや、英国が祝日で休場であったことから、全般にボラティリティが大きく低下し、閑散な市場となりました。USDJPYは146円台半ばで膠着状態になっており、レンジからの脱却するタイミングを図っている状態です。
通貨相関からは、USDの強さが継続しています。JPYの弱さが顕著になる一方でEURの強さを確認することができます。USD・EURの二強の状態になっています。GBPは軟調な展開となり、マイナー通貨全般も弱い展開になっています。全般に、方向感は揃っているものの、収束の動きを強めていることから、発散に向けて準備段階に入ってきたと思われます。上位足から下位足まで強さの揃っているUSD・EURを軸に通貨選択をしたいと思います。
本日は、明日以降に発表される経済指標に比べて重要度が低いですが、米国のJOLTS雇用動向調査に注目しています。今週最大の注目材料である金曜日の雇用統計を前に、明日のADP全米雇用報告、木曜日の新規失業保険申請件数と米国の労働関連の統計が続きます。その第一弾として本日のJOLTSの内容に少しでもサプライズがあれば、大きな動きを誘引しかねません。可能性は低いものの、他に注目すべき材料のない日にはちょっとしたイベントでも大きく反応するので注意しておきたいと思います。
今日の環境分析 2023年8月28日
先週末金曜日のジャクソンホール会議において、FRB議長は経済情勢次第で追加利上げの可能性があると言及しました。これまでの発言内容と変わらなかったことから、米国金利の高止まりの可能性が高まり、USDJPYは146円台半ばまで上昇しました。しかし、USDJPY以外のクロス円通貨の戻りは鈍いことから、USDの強さを示すとともにJPYの堅調さを確認する結果となりました。
通貨相関からは、USDが最強通貨となっています。EUR・GBPが調整の動きを強め、NZDの弱さは継続しています。CADがUSDにつれて強さを取り戻し、JPYは中立的なポジションに位置しています。全般に方向感がつかみにくい局面ですが、ドルストレート通貨に注目しています。
今週は、金曜日の米国雇用統計が最大の注目材料になります。先週末のジャクソンホール会議を終えたことで、市場の注目は雇用統計に向いています。雇用統計以外にも、今週は比較的市場に影響を与える経済指標の発表が続きます。水曜日のオーストラリアとドイツの消費者物価指数・米国のGDP、木曜日の中国のPMI・ユーロ圏の消費者物価指数・米国の新規失業保険申請件数とPCEデフレーター、金曜日のISM製造業景況指数・カナダのGDPに注目です。本日は、オーストラリアの小売売上高に注目です。なお、英国は祝日のため金融市場は休場となります。
スワップ一覧_2023/08/26(Axiory/BigBoss/XM/Titan)
今日の環境分析 2023年8月25日
昨日発表された米国の新規失業保険申請件数は、事前予想23.9万人を下回る23.0万人となり、労働市場の強さを再確認する結果となりました。これを受けて米金利が上昇し、USDの上昇につながりました。本日のジャクソンホール会議におけるFRB議長の発言においては、年内の追加利上げや、来年以降に想定される利下げに転じる時期などに言及する可能性が高いとみられています。このため、市場全般に様子見気分が強く、前日のPMIによる欧米の景気停滞懸念による調整から、USDは反発しEUR・GBPは軟調な動きとなりました。こうした動きから、方向感をつかみにくい状況にあり、昨日発生したMark2の新規サインは損切りとなりました。
通貨相関からは、EUR・GBPの弱さが継続し、USDは若干弱さが緩和されました。JPY・AUD・NZDはともに堅調な展開となっており、金融引き締めのゴールを確認したオセアニアやこれから金融引き締めの始まる日本と、金融引き締めのゴールを模索する欧米との違いが通貨の強弱に反映されています。EUR・GBPの売り、JPY・AUD・NZDの買いに関連した通貨選択をしたいと思います。
本日は、日本時間23時5分に予定されているFRB議長の発言が最大の注目です。市場では今週ずっとこの発言を前に様子見を続けていたため、発言内容には警戒したいと思います。また、ドイツのIFO景況指数や東京都区部の消費者物価指数にも注目しています。ともに、欧州・日本の金融政策に影響を与えることになりそうなので、発表時の値動きには注意しておきたいと思います。なお、週明け月曜日は英国は祝日で休場となります。GBPのポジション調整の動きに注意が必要です。
今日の環境分析 2023年8月24日
昨日は、欧米各国・地域でPMIが発表され、景況感の悪化を確認する結果となりました。すでに景況感の分岐点となる50ポイントを下回っている製造業PMIは依然として低水準にあり、堅調だったサービス業PMIの悪化が目立ちました。米国のサービス業PMIは前月比-1.3の51.0と市場予想の52.2を下回り、ドイツ・ユーロ圏・英国のサービス業PMIはそれぞれ47.3・48.3・48.7と軒並み50割れとなりました。金利上昇に伴う景気悪化懸念が強まってきました。今後のさらなる金利引上げに慎重にならざるを得ない状況にあると思われます。こうした動きを受けてUSD・EUR・GBPともに下落しました。Mark’s Tradeのスイングトレードにおいては、昨日に続きMark2の新規サインが複数の通貨ペアに確認することができます。調整の動きが広がっていると思われます。
通貨相関からは、昨日に続きEUR・GBPが弱く、USDもPMIの内容を受けて弱さを確認することになりました。対して、調整の続いていたAUD・NZDやJPYの強さが目立つ動きになってきています。下位足の動きがまだ上位足に波及するには到っていませんが、徐々に影響してくるように思われます。メジャー通貨の売りを軸に通貨選択をしていきたいと思います。
本日は、米国の新規失業保険申請件数に注目です。昨日のPMIにおいて景況感の悪化を確認しているため、労働環境面から景気判断ができる内容になるのか注意が必要と思われます。足元の動きが、明日のジャクソンホール会議におけるFRB議長の発言内容に影響を与えることになるのか、警戒しておきたいと思います。
今日の環境分析 2023年8月23日
昨日は、方向感の乏しい展開となり、月内の方向性を修正する動きとなりました。ボラティリティは低下し、全般に小動きに推移しました。昨日コメントしたスイングトレードのポジションはほとんどが決済となり、逆張りトレードとなるMark2のサインが複数通貨に確認できました。当面は、調整の動きを強めてくるものと思われます。
通貨相関からも同様の判断ができます。下位足で逆行の動きが強まり、日足以上の上位足と強弱関係が逆方向になっています。いままで弱い通貨群にあったJPYやNZDが強く、強かったEUR・GBPが弱い位置にあります。下位足の動きが上位足に波及してくるのか、一時的なものなのか、方向性の確認が難しい状況にあるため、通貨選択の難しい局面です。
本日は、欧米各国・地域の製造業・サービス業PMIが発表されます。発表時間はばらばらのため、発表時間ごとに関連通貨の動向には注意したいと思います。先行性の高い指標であるため、今後の経済政策に与える影響は高いと思われます。個々の内容を注視したいと思います。また、カナダの小売売上高にも注目です。明日からのジャクソンホール会議を前に様子見の展開が続いています。大きなトレンドの発生を確認しづらい状況にあるため、慎重な姿勢で臨みたいと思います。
今日の環境分析 2023年8月22日
昨日は、クロス円の反発が目立ちました。USDJPYは再び146円台に入り、一段と為替介入を警戒する局面となりました。現在フォローしている21通貨ペアのうち、20通貨が日足ベースで上昇する珍しい局面となりました。通貨の強弱感が明確になっていることの現われと判断しています。Mark’s Tradeのスイングトレードにおいては、日足ベースでは複数の通貨ペアでポジションを保有していますが、4時間足においてはトレンドを確認できず収束を強める通貨ペアが目立ってきました。日足のポジションも決済ポイントが近づいており、転換点を模索する動きを強めてきているように思います。
通貨相関からは、EURの強さが回復しGBP・USDとともに3強の通貨になっています。マイナー通貨の弱さは継続していることから、相対的なメジャー通貨の強さにつながっています。JPYを除くメジャー通貨の買いとマイナー通貨売りの通貨選択を継続して行きたいと思います。
本日は、重要な経済指標はありません。米国の中古住宅販売件数はそれほど重要度の高い経済指標ではありませんが、他に材料がないためにこの指標でも市場への影響はあるものとして対応していきたいと思います。明日のPMIや週後半のジャクソンホール会議に向けて様子見の展開が想定されます。また、JPYUSDが146円台に乗せてきたことで、金融当局の口先介入を含めた対応に警戒しておきたいと思います。
今日の環境分析 2023年8月21日
先週末金曜日は、日本の7月の全国消費者物価指数が発表されました。市場予想通りの前年比+3.3%となり、11か月連続で3%を上回る水準となっています。英国の7月の小売売上高は前月比-1.2%と市場予想を下回る結果となり、金融引き締めの影響から景気後退を懸念する内容でした。インフレが続いていることから利上げ継続が想定されていた英国ですが、金融引き締め姿勢を緩和することが想定され、GBPの弱さにつながりました。
通貨相関からは、USD・GBPの強さは継続していますが、下位足ではEURの弱さやJPYの強さが際立ちました。マイナー通貨は弱さが継続しており、メジャー通貨の優位性が目立っています。そのメジャー通貨の中でも優劣が出始めている点に注意が必要です。下位足の動きが上位足に波及してくるのかどうか注目しています。
今週は、24日から開催されるジャクソンホール会議に注目が集まっています。金曜日にはFRB議長の発言が予定されており、この発言を控えて今週は様子見の展開が想定されています。このほか、水曜日には欧米各国地域のPMIやカナダの小売売上高、木曜日は米国の新規失業保険申請件数と耐久財受注、金曜日には東京都区部の消費者物価指数やドイツのIFO景況指数の発表に注目です。中国の景気減速懸念が強まり、世界経済の失速を警戒する動きが出ています。主要国の金融政策への影響にも注意したいと思います。本日は、重要な経済指標の発表はありません。週後半のジャクソンホール会議の内容に向けて、手探りの状態になりそうです。