今日の環境分析 2023年8月31日

 昨日発表された米国の第2四半期実質GDP改定値は、前期比年率で+2.1%と速報値の+2.4%から下方修正されました。ADP全米雇用報告でも+17.7万人と市場予想+19.5万人を下回る結果となり、昨日に続き利上げ警戒感が一段と緩和されました。これを受けてUSDは軟調な展開となりました。2日続きの労働統計の下振れは、USDの動きに過剰な影響を与えているように思われます。今日・明日と注目すべき労働統計の発表が続くため、この動きは継続するものとして警戒しています。

 通貨相関からは、下位足でUSDの弱さが継続し、上位足にも波及してきています。JPYの弱さも継続していることから、USDJPYを除くクロス円通貨の堅調な展開を確認することができます。AUDの反転の動きが強まっており、EUR・GBPも相対的な強さを維持しています。米国の労働統計の結果に過剰な反応を示しているUSDは判断しづらい動きになっています。このため、EUR・GBPを軸に通貨選択をしていきたいと思います。

 本日は、ユーロ圏の消費者物価指数に注目です。欧州経済のインフレ状況を確認し、今後のECBの金融政策の行方に影響を与える結果になるのか注意したいと思います。また、米国の新規失業保険申請件数やPCEデフレーターにも注目です。このところの米国経済指標の発表は市場への影響を高めているため、警戒したいと思います。さらに、中国のPMIにも注目です。中国経済の停滞が各方面に悪影響を与えている中で、足元の景気判断から世界経済への影響を再確認したいと思います。本日は8月最終日となります。明日に米国の雇用統計を控えているだけに、月末のポジション調整の動きは強まると想定されるため、値動きには注意しておきたいと思います。

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