昨日は、欧米各国・地域のPMIが発表されました。PMIは購買担当者景気指数(Purchasing Manager’s Index)の名の通り、企業の購買担当者の景況感を集計した指数になります。もっとも景気先行性が高いと考えられており、注目度の高い指標の一つです。週後半の日米欧の金融政策の会議の前に発表されたことから、会議への影響度は高いと考えられます。ユーロ圏の総合PMIは8か月ぶりの低水準となり、2か月連続で景気判断の基準となる50を割れました。欧州経済の景気後退懸念が強まっています。ユーロ圏PMIの前に発表されたフランス・ドイツともに予想外の悪化にEURは急落しました。米国のPMIでは、製造業PMIが予想を上回ったものの連続して50割れとなりました。欧米全般に製造業PMIの悪化がみられることから、実体経済の停滞を確認することができると思います。インフレ持続への警戒感と景気停滞との綱引きの中、どのような金融政策を打ち出してくるのか注目です。
通貨相関からは、下位足でJPYの弱さとUSDの強さが継続しています。昨日のPMIの結果を受けてEURの弱さが目立つ展開になってきました。GBPもEURと同様の動きになっています。USDにつれてCADの堅調さも目立つ状況になっています。現在の方向感のない市場においては、昨日のPMIの発表時のような急変動はいつ起こってもおかしくないため、本日も通貨を特定せずに、個々の通貨ペアの動きを追っていきたいと思います。
本日は、ドイツのIFO景況指数と米国の消費者信頼感指数の発表がありますが、注目度は低いと考えていました。しかし、昨日のドイツのPMIの内容を見て、IFO景況指数には反応する可能性があるため、EURの動きには警戒したいと思います。全般には、明日以降の金融政策の発表を前に、様子見の動きが継続すると思われます。