今日の環境分析 2022年12月21日

昨日、日本銀行は従来の大規模金融緩和の修正を決定しました。利上げはしませんでしたが、長期金利の変動許容幅を従来の0.25%から0.5%程度に広げました。日銀総裁は利上げではないと断言していますが、実質的な利上げとなりました。これを受けて、円高の動きとなり、USDJPYでは一時7円近く下落しました。従来の日銀の方針からの違和感が強く、おそらく政府当局からの圧力があったのではないかと推察します。このサプライズの手法は、財務省の為替介入方法に通じるものがあることから、このように判断しています。先進国の中で金融緩和を継続していた日本が緩和から脱却したことで、世界的な利上げ基調に同調しました。米国が利上げのゴールを意識されている中で、これから利上げの始まる日本との対比で、USDJPYの円高ドル安の方向感が強まりました。通貨の動きはモメンタムに影響されることが多いため、当面はJPY高の動きが強まるものと思われます。USDJPYは、10月高値まで円安ドル高の動きの起点となる8月安値の直前でいったんの底打ちを見せましたが、大きなフシとなる129円・127円・123円をめどに動き出したと思われます。
余談ですが、日銀は政策金利の発表時間を決めていません。昼頃としか決めておらず、他の国の発表時のように備えることが難しい状況にあります。このため、今回のサプライズに発表時に対応できなかった投資家も多いと思います。自身に影響はありませんでしたが、本当に腹立たしい限りです。

通貨相関からは、昨日の強烈な円高を受けてJPYが最強通貨となりました。7通貨中、月足こそ最弱通貨にありますが、週足で2番目、日足・4時間足で最強通貨になっています。また、NZDが上位足から下位足まで揃って強い展開となっており、揃って弱いAUDとの対比が明確になっています。USDは、月足を除き弱さが揃っています。クロス円は日足のトレンド発生から週足に波及し、ドルストレートは収束の最終局面に入ってきています。これら関連通貨に注目したいと思います。

本日は、JPYは昨日の動きを受けて反発の動きが想定されますが、長期的な方向感に変化はないと思われるので、反発時点ではトレンドへの回帰に注目したいと思います。また、カナダの消費者物価指数にも注目です。