今日の環境分析 2022年10月4日

昨日は、日本銀行が9月の全国企業短期経済観測調査(日銀短観)を発表しました。大企業製造業の景況感は3期連続で悪化し、円安による原材料価格やエネルギー価格の上昇によるコスト増を要因とし、円安効果が乏しいことが明らかになりました。半年ほど前は日銀総裁は円安は日本経済にプラスだと発言をしていましたが、行き過ぎた円安進行は日本経済にとってプラス要因はないと判断できます。日銀の金融政策が変更される足掛かりになるかもしれません。
英国政府は、9月下旬に発表した大規模減税策のうち、高所得者向けの所得税率引下げを撤回しました。しかし、英国の混乱は継続していると判断しており、GBPの上値は重たいと判断しています。欧州では、スイスの銀行大手であるクレディ・スイスで債務不安への報道がされています。リーマンショックが起きる前に米国で起きた状況に似てきたように思われます。欧州を舞台に金融不安が起きる可能性が否定できないと思います。
USDJPYは、日本時間に145円台に再び乗せましたが、介入を警戒した動きから反落しました。米国のISM製造業景況指数は、市場予想を下回る悪化水準となり、金融引締めペースが緩むと判断され債券価格が下落し、株式市場は大幅に上昇しました。USDJPYを除くクロス円はJPYの弱さから大きく買われました。先月後半の反動の動きのようであり、期を越えて新たなポジションを構築しているかのように思われます。

通貨相関からは、JPY・USDの弱さが目立ちます。反動の動きがどこまで続くか、日足に波及してくるのか注目です。EUR・GBPの強さが目立ちますが、ファンダメンタルズを考慮すると、どこまでその強さを信じてよいものか疑問です。マイナー通貨は弱さを継続しています。方向感がつかみにくい状況は依然として続いています。

本日は、オーストラリアの政策金利の発表に注目です。その他、欧米の金融当局の発言が多く予定されています。内容次第では大きく影響を受ける可能性があるので警戒したいと思います。

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