昨日発表された経済指標は、世界経済の停滞を懸念させるものとなりました。日本の実質GDPの4-6月期は前四半期(1-3月期)比+0.5%(年率換算+2.2%)となり3期連続のプラスとなりましたが、市場見通しの+2.7%を下回りました。米国・英国・ドイツ・中国などマイナス成長になっており、世界経済の全体で停滞してきています。NY連銀製造業景気指数は、8月が-31.3と大幅に急落し、景気後退懸念が一層高まる状況となりました。多くの経済指標が発表された中国では、小売売上高や鉱工業生産などの7月の数値が市場予想を下回る数字となり、中国経済の先行き懸念が一段と高まりました。この動きが、AUDの下落を招きました。オーストラリアは中国経済への依存度は以前ほど高くはないものの、連想売りにつながった可能性は高いと思われます。
昨日は、クロス円・ドルストレート通貨が1%を超える大きな動きとなりました。一部のマイナー通貨ペアではトレンドの発生が確認できるものの、メジャー通貨のトレンド確認には到っていません。
通貨相関からは、下位足でAUD・CADの弱さが目立ちました。なかでもAUDは今までの強さの反動が出たような動きになりました。EUR・GBPは、上位足から下位足まで弱さが継続していることから、これら通貨を軸に通貨選択をしたいと思います。JPY・USDともに下位足で強さが目立ちます。USDは日足のみが相対的に弱くなっており、足元の動きが日足に波及するのか注目です。
本日は、21時30分発表のカナダの消費者物価指数に注目です。また、18時のドイツのZEW景況感調査にも注目です。欧州経済の停滞を確認することになるのか、重要度が極めて高い指標ではありませんが警戒し、発表時のEURの値動きを注視したいと思います。