ドル高反転の兆し?!_5/10(金)

今日の環境分析 2024年5月10日

 昨日、先月開催された日銀金融政策決定会合における主な意見が公表されました。追加利上げの意見が相次ぎ、円安に伴う物価高騰を懸念する意見が多く出されました。このような議論の内容で、なぜ日銀総裁が会見において円安容認ともとれる発言をしたのか疑問です。不適切な発言が大幅な円安を招くなど、市場との向き合い方が不十分なようです。イングランド銀行(BOE)は政策金利を発表し、6会合連続で据え置きました。BOE総裁会見では利下げを示唆し、6月か8月に利下げをする市場の見通しを後押しする結果となりました。これを受けてGBPは下落する場面がありましたが、一時的なもので終わりました。米国では、注目していた新規失業保険申請件数が発表され、市場予想よりも大きく悪化しました。雇用統計の悪化を裏付けたことで労働市場の逼迫が緩和されていることを再確認する結果となり、USDが下落しました。米国における利下げ観測が強まってきています。

 通貨相関からは、JPYの弱さが継続し、GBP・CADの弱さも持続しています。NZD・EURの強さが続いており、この強さに対応してAUD・GBPの弱さにつながっている模様です。USDは昨日の指標を受けての利下げ観測の強まりから軟調な展開となりました。全般に、上位足から下位足までの強弱感が揃っておらず、通貨選択の難しい局面になっています。個別の通貨ペアの動きに着目したいと思います。

 強い通貨: NZD・EUR
 弱い通貨: GBP・JPY

 日足   : AUD>NZD>EUR>CAD>GBP>USD>JPY
 4時間足 : NZD>EUR>USD>CAD>AUD>GBP>JPY

 本日は、カナダの失業率、英国のGDP、ミシガン大学消費者信頼感指数に注目です。ともに重要な経済指標ですが、大きなサプライズがない限り市場へのインパクトは小さいと考えています。膠着感が続いているため、来週水曜日の米国の消費者物価指数の発表まで様子見の姿勢が続きそうです。労働環境の変化を受けて、ドル高修正の動きがどこまで強まるのか注目しています。

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