先週末に発表された欧米各国・地域のPMIは、10か月ぶりの高水準となり、景況感の改善が確認されました。しかし、欧米での金融システム不安は、金融当局が積極的な対応をしているものの不安が継続しています。米国では中小銀行からの資金流出が止まらず、ドイツ銀行の株価が急落するなど、世界中の金融不安は継続しています。金融不安とインフレ抑制にはさまれ、先進国の金融政策に注目しています。
市場全般は、終値では小動きに終始しました。ボラティリティは、日本時間と米国時間で前日比で大きく低下しているものの、欧州時間で高まったことで日中の変動が高まりました。
通貨相関からは、先進国の金融システム不安を背景にリスクオフの動きが強まっています。結果としてJPYの強さにつながっています。USDの弱さは継続しており、AUD・CADの弱さも目立ちます。クロス円の売りを中心に通貨選択をしていきたいと思います。
今週は、月末に加え日本では年度末になります。年度末のJPYの本国回帰の動きがあることから、円高方向は継続すると考えています。米国では、FRBバー副議長の上院・下院の金融不安対応をテーマとした公聴会での証言が注目されています。また、FRBはブラックアウト期間を終えたことから、多くのFRB高官の発言が予定されています。金融システム不安が高まっている中、その対応策や金融引き締めの考え方など、市場にインパクトを与える材料が多いため警戒が必要です。今週も物価関連指標の発表が相次ぎますが、来週に控える雇用統計やISM景況指数に比べると重要度の低いものになっています。月末・四半期末であることから、ポジション調整の動きに警戒したいと思います。
本日は、英国BOE総裁の発言が予定されており、金融システム不安へのコメントに注目しています。欧米の金融システム不安はいつ材料が出てもおかしくない状況にあるため、当面は慎重な姿勢で臨みたいと考えています。