昨日は、米国の金融システム不安が欧州に飛び火しました。スイスの金融大手クレディ・スイスの株価が急落し、先進国の株価が大きく下落しました。FXでは、USD・EUR・GBPが揃って大きく下落しました。クレディ・スイスに対してスイス中央銀行が全面支援を表明したことで、落ち着きを取り戻したものの、反発幅は限定的となりました。
米国の小売売上高は2か月ぶりの-0.4%と下落しました。先日の消費者物価指数同様、サプライズとなる数値でなかったこともあり、市場への影響はありませんでした。
リスクオフの動きが強まりJPYの強さが目立ったことから、クロス円通貨は軒並み1%を超える下落となりました。
通貨相関からは、JPYが最強通貨になりました。日本を除く先進国が利上げを継続していることから、急激な金融引き締めを背景とした金融不安と考えられており、金融緩和を継続しているJPYの強さにつながっています。クロス円通貨に注目したいと思いますが、昨日大きく下落した後だけに、自律反発の動きを確認してから判断していく方針です。
本日はECBの政策金利に注目です。クレディ・スイスの問題を受けて、欧州では他の銀行への信用不安が高まっています。欧州経済はインフレは継続しているものの、金融システム不安を背景にECBは慎重なスタンスに変わったと考えています。従来予想されていた0.5%の利上げから0.25%の利上げ幅に圧縮する可能性が高いと思います。FX市場の現状は、利上げ幅水準よりも利上げを継続してきたことによる弊害を確認する動きになっています。ECBの政策金利への警戒感は怠らずにいたいと思いますが、突発的に発生する事象やコメントにいつでも対応できるようにしたいと思います。瞬発的に対応できない状況にある場合は、見送りするのが最善の投資スタイルだと考えます。