先週末金曜日は、波乱に富んだ日となりました。9月の日本の消費者物価指数は、31年ぶりの3%の上昇となりました。USDJPYは日中じりじりと上昇し米国時間には152円直前まで達しました。時を合わせて、ウォール・ストリート・ジャーナル紙が金融引締めにブレーキを踏むとの報道があり、米国金利のピークアウト感が醸成されてきました。そのタイミングで、政府・日銀が正式な公表のない覆面介入を実施し、USDJPYは急落しました。おそらく事前に情報を入手していたものと思われ、日米の協調介入の可能性が高いと思われます。鈴木財務相は、かねてから「過度な為替変動は望ましくない」との発言しており、今回の為替介入によるUSDJPYの急落の方がよっぽど「過度の為替変動」のような気もしますが・・・。
土曜日から日曜日にかけても大きなニュースが続きました。英国の保守党党首選は、ジョンソン前首相が出馬断念を発表しました。本日にも保守党党首が確定する可能性もあります。また、中国の共産党大会が閉幕しました。習近平総書記の一強体制が確立したことで、中国の強権的な体制が強化される可能性がたかまりました。ロシアのプーチン大統領の長期政権に相通じる動きになるのではと懸念しています。
通貨相関からは、JPYが反転し、USD・EUR・GBPの弱さが目立ちます。USDJPYへの為替介入による変動が反映されています。為替介入の影響は大きく、一部通貨では日足に波及する動きなっており、JPYの強さからクロス円通貨の上値を抑える展開になっています。金曜日にコメントしたように、多くの通貨ペアでは4時間足で収束の動きが強まっていましたが、発散に向かう通貨ペアが増えました。トレンドの確認を出来るものもありますが、上位足との方向感との違いから、今後の動きを注視しておきたいと思います。
今週は、重要な経済指標の発表が多いので警戒が必要です。なかでも、水曜日にカナダ中央銀行(BOC)、木曜日に欧州中央銀行(ECB)、金曜日に日本銀行の政策金利の発表に注目です。特に、日本銀行の発表には注意しておきたいと思います。前回の発表時には、日銀が緩和継続を発表し、新たな金融政策の発表がないとUSDJPYは急騰し、そのタイミングで1回目の為替介入が実施されました。今回は前回以上に、金融政策の内容や市場動向などに注意しておきたいと思います。
本日は、各国の購買担当者景気指数(PMI)に注目です。この指標は、先行性・速報性の高い指標なので、足元の景気動向を最も反映していると思われます。これらの数値は、各国の金融政策に影響を与えるため、為替市場への影響も高いので注意が必要です。また、本日の英国保守党党首選で党首が決定する可能性があり、GBPの動向に注目しています。