今日の環境分析 2022年10月14日

昨日、USDJPYは32年ぶりに147円台後半をつけました。昨日発表された米国の9月の消費者物価指数は、予想を上回る前年同月比+8.2%となりました。依然として、インフレ改善の見通しが立たず、金融引締めがインフレ抑制効果に表れていないと判断されました。FOMCの今後の利上げは、消費者物価指数発表前までの11月+0.75%、12月+0.5%との見通しから、12月も+0.75%との見通しが強まりました。この結果、日米金利差の拡大から円安ドル高が進みました。また、今月はサプライズは少ないと見越していたショートポジションの買戻しの動きが上昇を加速しました。
同様の動きが、GBPでもありました。英国トラス政権が減税案の主要部分を撤回する方針との報道から、GBPが上昇しました。政府当局と金融当局との間の齟齬から混乱している英国ですが、とりあえず財政悪化懸念を回避できるとの見方が強まり、GBPのショートポジションの買戻しの動きが強まりました。しかし、景気対策はトラス政権の基盤となる政策になるため、減税案の完全撤退は難しいと思われ、英国の混乱はまだ続きそうです。

通貨相関からは、反転の動きが見て取れます。最強通貨だったUSDや最弱通貨だったNZDが4時間足で上位足と全く反対の動きになりました。USD・CAD・JPYなどが順位を下げる一方、NZD・EUR・GBPが順位を上げました。USDの独歩高が世界経済に与える影響を懸念する動きが出てきており、EUR・GBPが足元堅調な動きになっていることから、USDの上値を重くしているように思われます。通貨選択の難しい局面を迎えました。

本日は、米国の小売売上高に注目ですが、昨日の消費者物価指数ほどの注目度は高くなく、市場インパクトは少ないとみています。週末でもあることから、神経質な展開が想定されます。昨日の大きな動きを継続するのか、反転するのか、注視していきたいと思います。

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