昨日、IMF(国際通貨基金)は世界経済見通しを改定し、成長率見通しを下方修正しました。2023年の実質成長率予測を前回7月から0.2ポイント引下げ、2.7%となりました。この半年の修正幅は、リーマンショックの時を上回り、悲観的な見通しが強まりました。欧州・米国・中国は「失速」と表現され、世界的なインフレ懸念から、経済の落ち込みを警戒しています。
イングランド銀行は、14日まで実施する長期国債買い入れの対象範囲をインデックス連動国債に拡大すると発表しました。これを市場は好感し、GBPは上昇しました。しかし、その後、イングランド銀行総裁が、市場での介入は計画通り週末までに停止すると述べ、維持できないポジションは手じまうよう投資家に呼びかけました。「関係するファンドや企業に私が伝えたいメッセージは、残されているのは3日だということだ」と発言し、国債の買入れ延長を期待していた市場では失望され、ポンドは急落しました。
通貨相関からは、USDの独歩高が継続しています。米国経済圏であるCADも堅調な展開になってきました。一方、EUR・GBPの欧州経済圏、AUD・NZDのオセアニア経済圏は軟調な展開が続いています。USDJPYは前回高値に近づいていますが、JPYの強さは継続しているため上値は重たいと考えています。USDを軸に通貨選択するのが良さそうです。
本日は、日本時間明日未明に9月開催分のFOMCの議事要旨が公表されます。金融引き締めの方向性に変化はないと思われ、明日の米国の消費者物価指数の方に注目が集まると考えています。USDJPYは為替介入前の水準まで円安が進んできましたが、明日の消費者物価指数の内容次第ではドル高が加速されることが予想され、その際にはUSDJPYで146円台を大きく上回る可能性があります。おそらく、この動きを確認するまでは次の為替介入はしづらいと考えています。