昨日は、クロス円・ドルストレート通貨中心に大きく動きました。オーストラリア中央銀行は、事前予想の+0.5%を下回る+0.25%の利上げを実施し、政策金利は2.6%となりました。前日の米国のISM製造業景況指数の悪化とあわせ、グローバルで進む金融引締めの加速化にブレーキが踏まれてきたようです。米国では雇用動向調査の求人件数が2年半ぶりの減少も、米国の大幅利上げ継続観測が弱まってきました。このところ物価指数からインフレ実態をみていましたが、金融引締め効果が労働市場に波及してきたと判断されています。
通貨相関からは、4時間足で見たUSDの弱さが継続しています。米国の金融引締めのゴールが見えてきたとの見方から、USDの上値が重たいのだと思います。また、EUR・GBPに買戻しの動きがみられますが、ファンダメンタルズを考慮すると、目先の動きをどう判断すべきか悩ましい所です。すべての通貨で上位足から下位足まで方向感が揃っていないため、通貨選択が難しくなっています。オーストラリアは、利上げ幅を圧縮したことで、一歩先んじて金融引締めのゴールが見えてきたようで、AUDの弱さが相対的には目立っています。
本日は、米国のISM非製造業景況指数が最大の注目です。月曜日の製造業景況指数では悪化した数字が発表されましたが、非製造業でも悪化しているようだと、一段と金融引締めのゴールが見えてくるようになると思います。さらに、ADP全米雇用報告にも注目です。週末金曜日の雇用統計の前哨戦となる指標でもあり、昨日の雇用動向調査と同様の動きが想定されます。インフレ要因の一つである賃金上昇の裏付けとなる労働市場の動きが、金融政策に与える影響度を高めています。また、ニュージーランドの政策金利の発表に注目です。昨日のオーストラリアのようなサプライズになるのか注意しておきたいと思います。