先週は、消費関連指標の動きから、インフレのピークアウト感が強まり、金利の上昇圧力が低下しました。米国では次回9月の利上げは0.5%にとどまるとの予想が強まり、来年には利下げの可能性も高まってきています。市場全般に小動きに推移しましたが、徐々にトレンドの発生を確認できる状況になってきています。週足では、20SMAを抜ける通貨ぺアが散見されることから、中期的な売買領域に変化が生じてきていると思われます。
通貨相関からは、NZD・AUDの強さが目立ちます。上位足から下位足まで強さが揃ってきている点に注目です。また、JPYは日足・4時間足の強さ、週足・月足の弱さが継続しています。足元の動きが週足以上の中期的な方向性に波及してくるのか注目しています。USDはJPYと全く逆の動きを示しているので、JPYとともに注意しておきたいと思います。EUR・GBPの弱さは上位足から下位足まで一貫して弱さが継続しています。久しぶりに、強弱感が明確になった印象があります。強弱感に伴った通貨選択をしていきたいと思います。
今週は、水曜日にニュージーランドの政策金利の発表があります。6会合連続して利上げを実施しており、7月の0.5%の利上げから8月は利上げ幅が0.5%か0.25%となるのか注目です。発表まではNZDの堅調さが続くと思われます。
米国のFOMC7月開催分の議事録の公表が水曜日(日本時間、木曜日未明)にありますが、これは0.75%の大幅利上げを発表した際によるものです。足元、消費者物価指数に代表されるようにインフレへのピークアウト感が強まってきていることから、大幅利上げを継続する可能性は低いと考えられます。このため、FOMCの議事録公表は通常よりも注目度が低いと考えています。
また、小売売上高が、中国(月曜日)、米国(水曜日)、英国・カナダ(金曜日)で発表されます。消費者物価指数は、カナダ(火曜日)、英国(水曜日)、日本(金曜日)で発表されます。金融引き締めを継続している各国のインフレピークアウト感を判断する重要な指標となります。日本の消費者物価指数にも注目です。主要先進国中で唯一金融緩和を継続している日本において、日本の金融政策に変化をもたらす可能性があるので注意しておきたいと思います。
米国議会の議員が、台湾を訪問しています。一時緩和した米中間の緊張が、再び高まる可能性が出てきました。中国の軍事動向に注目です。
日本ではお盆休み、主要先進国では夏休みのため、市場参加者の少ない状況が続いています。流動性の低下によりボラティリティの変化に対応しておきたいと思います。