日銀の金融政策に注目!_6/14(金)

今日の環境分析 2024年6月14日

 昨日発表された米国の5月の生産者物価指数は、前月比-0.2%と市場予想の+0.1%から予想外の低下となりました。新規失業保険申請件数は、+24.2万人と市場予想の+22.5万人を上回り、10か月ぶりの高水準となりました。物価・雇用の面からインフレ鎮静化を裏付ける内容となったためUSD安の動きが出ましたが、一時的なものにとどまりました。これを受けて、米国時間のボラティリティが高まりましたが、終値ベースでは小動きに推移しました。依然として方向感のつかみにくい展開が続いています。前日のFOMCにおいては、年内1回の利下げとなったことがサプライズとなりましたが、同日に発表された消費者物価指数を多くの参加委員は考慮せず、先週末の雇用統計までで判断した意見の集約のように思われます。足元のインフレ停滞を示す経済指標が続くようだと、年内2回の利下げが強まると思われるため、今後の動向に注目したいと思います。

 通貨相関からは、EURの弱さが際立ってきています。NZD・AUDの堅調さは継続し、GBPの強さも持続しています。GBPを除くメジャー通貨はマイナー通貨対比での弱さが継続しています。CADはUSDにつれて弱い通貨群に位置しています。足元の弱さが目立つEURの売りを軸に通貨選択をしたいと思います。JPYは本日の日銀の動向を見てから判断したいと思います。

 強い通貨: NZD・GBP
 弱い通貨: EUR・(JPY)

 日足   : NZD>GBP>USD>AUD>JPY>CAD>EUR
 4時間足 : NZD>AUD>GBP>CAD>USD>JPY>EUR

 本日は、日本銀行の金融政策が発表されます。政策金利は据置き、国債買い入れ減額が想定されています。金融政策自体にはサプライズはないと思われるため、日銀総裁の記者会見に多くの注目が集まります。前回4月の会合後の記者会見において、日銀総裁は円安容認ととられる発言を安易にしたことでUSDJPYが160円をつけ、円買い介入につながりました。前任の黒田総裁が為替に関しては言及しないことを徹底したことと比較すると、学者出身の総裁のわきの甘さがでたと思われています。今回も円安に関連した質問が多いと思われますが、おそらく総裁は為替に関しては言及しないと思いますが、その発言には警戒したいと思います。新たな施策や方針に含みを持たせた発言がないようだと、失望感からJPYの急落も想定しておきたいと思います。総裁会見の内容を市場が織り込むのを待ってからJPYへの投資を検討したいと思います。そのほか、ミシガン大学消費者信頼感指数にも注目です。米国経済のインフレ鎮静化の動きを確認することになるのか、USDの動きには注意したいと思います。