今日の環境分析 2023年8月18日

 昨日発表されたオーストラリアの7月の雇用統計は、失業率が3.7%と市場予想の3.5%並みとなりましたが、正規雇用者数は前月比で-1.46万人と市場予想の+1.5万人から大きく下振れしました。これを受けてAUDが下落しました。米国で発表された新規失業保険申請件数は市場予想並みでサプライズはありませんでしたが、同時刻に発表されたフィラデルフィア連銀景気指数が+12.0と市場予想の-10.0を大幅に上回るサプライズとなりました。これを受けて米国金利は上昇しましたが、USDJPYは146円を割り込んできました。現在値付近にある重要な抵抗線を再び下回るか注目しています。

 通貨相関からは、USD・GBP・EURの相対的な強さが継続していますが、JPYの強さも目立つようになってきました。マイナー通貨全般に上位足から下位足まで弱い通貨群に集まっていることから、市場全般にリスクオフの動きが強まっているように思われます。メジャー通貨買い、マイナー通貨売りで通貨選択をしていきたいと思います。

 本日は、日本の全国消費者物価指数の発表があります。内容次第では円安修正の動きが強まることが想定されるので注意しておきたいと思います。また、英国の小売売上高が発表されます。英国ではインフレ抑制の観点から金融引き締めが継続しており、結果としてGBPの強さにつながっています。本日の小売売上高で金利高による景気停滞の動きが観測できるのか警戒しています。現状、最もトレンドの確認できるGBPの動きを注視していきたいと思います。

今日の環境分析 2023年8月17日

 本日日本時間未明に発表された米国のFOMC議事要旨では、大多数の委員がインフレの上振れリスクを警戒していることが伝わり、利上げ継続の可能性が高まりました。これを受けて、USDJPYは重要な抵抗線を上抜け、146円台に上昇してきました。英国の7月の消費者物価指数は前年比+6.8%と1年5か月ぶりに+7%を下回りました。伸び率は2か月連続して鈍化しているものの、サービス価格が再加速しており賃上げに伴うインフレ長期化の懸念は依然強いままです。ニュージーランドは事前予想通り、政策金利の据え置きを発表しました。

 通貨相関からは、USD・GBP・EURの強さ、JPYとマイナー通貨の弱さが継続しています。上位足から下位足まで強弱感が揃っているため、個々の通貨ペアにおいてはトレンドの確認ができます。強弱感さえ間違えなければ、通貨選択は容易な局面になってきました。

 本日は、オーストラリアの失業率に注目です。また、米国の新規失業保険申請件数やフィラデルフィア連銀景況指数にも注目です。USDJPYが146円台に乗せてきたため、お盆休み明けの今日から一段と日本の金融当局による市場への関与に警戒したいと思います。

今日の環境分析 2023年8月16日

 昨日発表された日本の第2四半期GDPは、前期比年率で+6.0%と非常に高い水準となりました。しかしその実態は、半導体不足による供給制約が緩和した自動車の輸出が堅調だった事やインバウンド消費がコロナ前の水準に戻る一方で、ワクチンや原油などの輸入の減少が影響しています。個人消費は3四半期ぶりのマイナスとなり物価高の影響を受けています。今回のGDPは日本経済の強さを表しているわけでなく、脆弱さを露呈した内容になっています。インフレや円安への対応策を早急に求められていると思われます。また、米国の7月の小売売上高は前月比+0.7%と市場予想を上回る結果となったものの、同時に発表されたNY連銀製造業景気指数が予想よりも大幅に悪化し、好悪入り混じる結果となりました。USDJPYは145円台後半まで上昇してきていますが、重要な抵抗線に頭を押さえられる展開が続いています。スイングトレードでは保有していたUSDJPYの買いのポジションは、その他のクロス円通貨とともに決済しました。

 通貨相関からは、USDの強さは継続しています。JPYの弱さが緩和したため、USDJPYの上値の重さを演じているようです。USDとともに堅調なCADに加え、GBPの強さが目立つようになりました。GBPに強さに反してEURの弱さがみられる状況です。AUD・NZDはともに弱い状況が続いています。USD・GBPを軸に通貨選択をしていきたいと思います。

 本日は、ニュージーランドの政策金利に注目です。軟調な展開が続くNZDの動きを加速するのか反転するのか警戒したいと思います、また、英国の消費者物価指数にも注目です。インフレの状況を確認し、金融政策の方向性を判断したいと思います。本日の最大の注目は、日本時間明日未明に発表される7月25~26日開催分のFOMCの議事要旨の公表です。利上げを再開した7月のFOMCにおいて、どのような議論がなされたのか、次回の利上げの可能性を判断することができる内容なのか注目しています。本日も、日本の金融当局の市場への関与があるのか警戒しておきたいと思います。

今日の環境分析 2023年8月15日

 前週の米国の堅調な経済指標を受けて、USDJPYは145円台と年初来高値の水準にまで上昇しました。本日は、五十日にあたりUSD需要が高まることが想定されるため、JPYの値動きには警戒したいと思います。全般には小動きに推移し今月の方向に沿った変動になっており、緩やかなトレンドとも判断することができます。通貨ペアごとに方向感が明確になってきており、スイングトレードでは複数の通貨ペアにトレンドを確認することができる状況です。いくつかの通貨ペアはすでに決済ポイントまで到達しているため、下位足の値動きに注意したい局面に入ってきています。

 通貨相関からは、USD・CADの強さ、JPY・NZDの弱さが目立ちます。上位足から下位足まで強弱感がはっきりしてきているため、2極化の動きが継続しています。EURはGBP対比での弱さが出ているため、前日までの強いグループから中立に移行しています。USDを軸に通貨選択をしていきたいと思います。

 本日は、日本の第2四半期GDP、オーストラリアRBAの8月1日開催分の議事録の公表、中国の鉱工業生産・小売売上高、英国の失業率、ドイツのZEW景況感調査、カナダの消費者物価指数、米国の小売売上高と、日中を通してFX市場へ影響を与える経済指標の発表が相次ぎます。それぞれの指標の内容次第で、流れが加速するのか反転するのか通貨への波及効果を無視できない状況にあるため、警戒したいと思います。また、USDJPYは145円台半ばまで上昇してきており、いつ金融当局の介入があってもおかしくない状況にあるため、上値追いには慎重な姿勢で臨みたいと思います。

今日の環境分析 2023年8月14日

 週末金曜日に発表された米国の7月の生産者物価指数は、市場予想を上回る前年比+0.8%となり、13か月ぶりに伸び率が拡大しインフレ警戒が強まりました。また、英国の第3四半期GDPは前年比+0.2%と3四半期連続のプラスとなりました。これらの経済指標は発表時に瞬間的な影響を市場に与えたものの、市場全般では小動きに推移しておりボラティリティも低下しました。クロス円中心に大きなトレンドを期待されましたが、上値の重たい展開が続いています。

 通貨相関からは、USD・CAD・EURの強さが目立ちます。この3通貨以外は弱いグループに位置しており、2極化の動きを強めています。USD・EURの買いを軸にした通貨選択を継続したいと思います。

 今週は、火曜日から重要な経済指標の発表が続きます。火曜日の日本のGDP・英国の失業率・カナダの消費者物価指数・米国の小売売上高、水曜日のニュージーランドの政策金利・英国の消費者物価指数・米国のFOMC議事録公表、木曜日のオーストラリアの失業率・米国の新規失業保険申請件数、金曜日の日本の全国消費者物価指数・英国の小売売上高に注目です。
 本日は、注目すべき経済指標の発表はありません。日本は3連休明けになるためJPYの動きに注意が必要です。USDJPYは145円台をうかがう展開になってきており、口先介入を含めた金融当局の動きに警戒したいと思います。

今日の環境分析 2023年8月11日

 昨日発表された米国の7月の消費者物価指数は、予想を若干下回る前年比+3.2%となりました。6月の+3.0%から7月は13か月ぶりに伸びが加速する結果となりました。これを受けて、USDは堅調な展開となり、USDJPYは145円手前まで上昇してきました。USDJPYの上昇はUSDの強さとともにJPYの弱さも示す結果となり、EURJPYは昨年の高値を上抜く展開になるなど、大きなトレンドの始まりを示すものとなりました。
 
 通貨相関からは、JPYの弱さとUSD・EURの強さが目立つ展開になっています。また、USDにつれてCADも強くなっています。USD・EUR・CADの強さとその他の通貨の弱さの対比が顕著になってきました。USD・EURの買いを軸に通貨選択をしたいと思います。

 本日は、英国のGDPや米国の生産者物価指数に注目です。英国の継続的な金融引き締めに伴う景気後退の兆しを確認することになるのか注意したいと思います。また、米国の生産者物価指数は、製造業PMIで景気後退を懸念されている局面であるため、製造業の実体面を表すことになるのか注目しています。
 日本は本日祝日です。お盆休み入りと市場参加者が少ない中、USDJPYは145円をうかがう展開になっています。流動性の低下している日本時間を中心にJPYへの仕掛けの動きを警戒したいと思います。為替介入の動きが出てくるのかにも注意したいと思います。

今日の環境分析 2023年8月10日

 昨日は、中国の消費者物価指数が発表され、2年5か月ぶりのマイナスとなる前年比-0.3%となりました。中国経済のデフレ懸念が台頭し、世界経済への影響を心配する可能性が出てきました。市場全般は、再び、ボラティリティが急低下し、小動きに推移しました。複数のクロス円の通貨ペアで上昇が見られますが、前回高値付近でのもみあいになっています。上値の重たさが見られるので、トレンド確認は高値抜け後の動きをみて判断したいと思います。

 通貨相関からは、JPY・マイナー通貨の弱さ、USD・EUR・GBPの強さも継続しています。CADはUSDの強さにつられて徐々に弱さが緩和している傾向にあります。比較的、上位足から下位足まで方向感が揃った強弱関係になっています。このため、昨日同様、JPYを除くメジャー通貨の買いやマイナー通貨の売りを軸に通貨選択をしていきたいと思います。ただし、USDは経済指標の発表を前に神経質な展開が想定されるので注意したいと思います。

 本日は、米国の消費者物価指数が今週最大の注目材料です。FRBが9月に利上げ継続するかの判断材料の一つとなるので、内容には警戒したいと思います。インフレ率の低下を判断できる内容であると、次回の利上げ見送りや来年の利下げ観測が強まることが想定されます。その場合、高止まりしているUSDが一気に下落する可能性があるため注意したいと思います。また、同時刻に発表される新規失業保険申請件数にも注目したいと思います。
 明日は、日本が祝日で休場となります。クロス円通貨の多くはレンジの上限付近に達してきており、3連休を前にポジション調整の可能性を想定しておく方が良さそうです。

今日の環境分析 2023年8月9日

 昨日は、各国の貿易収支の発表に反応する動きから、久しぶりにボラティリティが高まりました。しかし、多くの通貨ペアはレンジ内の動きが続いており、明日の米国の消費者物価指数の発表を前に、様子見の展開が続いています。全般に小動きに推移しており、3日連続で1%を超える変動のない状況になっています。

 通貨相関からは、マイナー通貨の弱さとJPYを除くメジャー通貨の強さが顕著になっています。強弱感は明確に表れているものの、方向感をつかみにくい局面にあるため、通貨選択が難しい状況にあります。マイナー通貨の売りやJPYを除くメジャー通貨の買いを軸に通貨選択を検討していきたいと思います。

 本日は、中国の消費者物価指数に注目です。中国経済の停滞が懸念されており、世界経済への影響から各国の金融政策への影響も意識する必要があります。この発表内容を消化した後は、明日の米国の消費者物価指数の発表に向けて思惑的な動きが強まる可能性があります。ドルストレート通貨の値動きに警戒したいと思います。