今日の環境分析 2022年11月29日

昨日は、米国では感謝祭の休日明けとなり、前週末の静かな動きから一転して動きました。半分近くの通貨ペアが1%を超える変動となりました。なかでもAUDは、10月の小売売上高の発表を機に大きく下落しました。予想の+0.5%に対し-0.2%と下振れしました。インフレの進行と金利上昇の影響が現れたと思われます。これを受けて、オーストラリアの金融引締めのゴールの近さを確認することになりました。この先に続く、各国の景気指標の発表では内容次第でAUDと同じ動きになることが予想されます。

通貨相関からは、JPYの強さが目立ちます。USD・CADなどこれまで弱かった通貨の反発の動きも目立ちました。逆に、AUDの下落の影響からかNZDの調整が目立ちます。下位足と上位足の方向感の違いがあり、一部の通貨を除いて、収束から発散に向けてのトレンドの発生が確認できません。しかし、目先の調整が一巡した後に、発散に向けた準備段階に入ってきたと思われます。年内最後のトレンド相場が近いと考えています。USDは週末の米雇用統計を前に手掛けづらい展開であるため、方向感のはっきりしているクロス円通貨に注目しています。

本日は、ドイツの消費者物価指数、カナダのGDP、BOE総裁の発言に注目です。それぞれの注目度は低いものの、各通貨にとっては重要度の高い内容なので、当該通貨の動きには注意が必要です。
中国のゼロコロナ政策に伴う国内情勢の悪化懸念や、経済停滞を懸念した原油安など、金融政策以外の経済情勢が重要度を増してきています。長期的な視点にたって、世界経済や各国経済の動向に注意したいと思います。