今日の環境分析 2023年8月8日

 昨日、7月27-28日に開催された日銀の金融政策決定会合における主な意見が公表されました。イールドカーブ・コントロールの修正を決めた会合だけに、その内容に注目されていました。運用を柔軟化しつつ金融緩和を続けるべきとの意見が多数確認されています。早急な金融緩和の解除は期待が薄いため、円高への修正力は弱まりそうな状況です。多くの欧米投資家は夏休み入りしていることもあり、市場はボラティリティが低下し、方向感のない展開が続いています。こうした局面では、流動性の低下から少しの材料でも過剰反応することがあるので、警戒を怠らないようにしていきたいと思います。

 通貨相関からは、方向感がつかみにくい状況にあります。そのなかで、マイナー通貨の弱さとEURの強さが確認することができます。JPY・USDともに日足と4時間足では通貨の強弱が逆転しており、判断しづらい状況にあります。EURとともにGBPは比較的堅調な動きを見せています。このため、EUR・GBPを軸に通貨選択をしていきたいと思います。

 本日は、大きな材料はありませんが、比較的注目度の低い貿易収支が中国・カナダ・米国で発表されます。AUD・CAD・USDの動きには注意しておきたいと思います。下位足では多くの通貨ペアで収束の度合いを強めています。発散のタイミングを待っている状況にあるので、値動きを注視していきたいと思います。

今日の環境分析 2023年8月7日

 週末金曜日に発表された米国雇用統計は、雇用者数が18.7万人と市場予想20万人を下回る一方で、平均時給は前年比+4.4%の市場予想を上回る33.74ドルとなり、強弱入り混じる内容となりました。通常とは異なり雇用統計発表による変動幅は小さかったものの、USD安方向に向かいました。同時刻に発表されたカナダの失業率は、5.5%と市場予想並みだったものの、新規雇用者数が予想の+2.11万人を大きく下回る-0.64万人となりました。CADは下落傾向を強める結果となりました。

 通貨相関からは、マイナー通貨全般に弱い展開が続いています。金融引き締め策のゴールを確認しつつある動きと判断できます。日本を除く先進国はゴールを模索する段階に入ってきているため、マイナー通貨対比で相対的には強さを維持しています。逆に、金融引き締めにこれから向かうであろうJPYの強さを確認する結果になっています。マイナー通貨の売りを軸に通貨選択を組み立てたいと思います。

 今週は、木曜日の米国の消費者物価指数が最大の注目です。雇用統計では平均時給の上昇傾向からインフレ持続が確認できますが、消費者物価指数でインフレの鈍化を確認できるのかに注目しています。また、金曜日の生産者物価指数にも注目です。先週発表された製造業PMIでは景気後退懸念が強まっており、生産者物価指数でも景気後退を確認できる内容であるか否か注意が必要です。
 本日は、日銀の主な意見公表を注視しています。イールドカーブコントロールの政策修正を決定した際の金融政策決定会合のため、その内容を確認しています。内容次第ではJPYに大きな影響を与えかねないだけに、値動きに警戒していきたいと思います。なお、本日はオーストラリアとカナダが祝日のため、AUD・CAD関連通貨には慎重な姿勢で臨みたいと思います。

今日の環境分析 2023年8月4日

 昨日、イングランド銀行は政策金利を+0.25%利上げし5.25%となりました。14会合連続の利上げとなりましたが、足元のインフレ鈍化をうけて利上げ幅を前回の+0.5%から縮小しました。政策金利の引き上げよりも金利水準の維持を重視し、今後の利上げ余地は小さいことを示しました。米国ISM非製造業景況指数は予想を下回りました。米国景気を支えていたサービス業に減速の動きをみられてきたことに注目です。

 通貨相関からは、USD・EURの強さが継続していますが、JPYの強さも目立つ展開になりました。AUD・NZDの弱さが継続していることから、メジャー通貨全般に相対的な強さが確認できます。GBPは昨日の政策金利の発表を受けて軟調な展開になってきました。USD・JPYともに強いため、USDJPYの膠着状態になっています。このため、USDJPYを除くUSD・JPY買いのポジションに注目しています。

 本日は、米国の雇用統計に注目です。大きなサプライズがない限り、指標発表による動きは限定的と考えています。同時刻に発表されるカナダの失業率にも注目です。このところCADの動きは軟調な展開となっており、カナダの労働市場の環境次第で金融政策の方向性が判断できるため、動きが加速することも想定しておく必要があります。また、オーストラリアのRBA四半期金融政策報告にも注目です。金融引き締めの終焉を裏付ける内容の場合、AUDの下落が加速するのか警戒しています。

今日の環境分析 2023年8月3日

 昨日発表されたADP全米雇用報告は、非農業部門雇用者数が前月比+32.4万人と、市場予想の+17.5万人を大きく上回りました。この内容を受けて米国景気の強さを確認した動きが金利の上昇につながり、USDは堅調な展開となりました。米国の格付け会社フィッチが米国債の格下げしたことを受けて、昨日の世界の株式市場は急落しました。しかし、同じ格付け会社大手であるS&Pはすでに2011年に格下げしており、今回のフィッチの格下げによる影響は過剰反応と思われます。世界的な株式市場の下落から、リスクオフのムードが広がってきたことに警戒したいと思います。市場全般では、一昨日のオーストラリアの金利据え置きの流れが続くAUDの弱さに連動してNZDも弱いことから、関連通貨の下落が目立ちました。日足ベースではレンジを抜けてきており、関連通貨のトレンドを確認できるようになってきました。

 通貨相関からは、AUD・NZDの弱さが目立っており、オセアニア通貨売りの流れが続いています。JPYは下位足での弱さはあるものの、日足での強さが継続しています。クロス円通貨すべてが同時に上昇していないことから、円安の動きではないと判断しています。USD・EURの強さが継続していることから、USD・EURの買いやAUD・NZDの売りを軸に通貨選択を考えていきたいと思います。

 本日は、英国の政策金利に注目しています。利上げ継続が市場予想になっていますが、先週の欧米の中央銀行総裁のハト派発言を受けて、BOE総裁の発言内容に警戒したいと思います。また、米国の新規失業保険申請件数やISM非製造業景況指数にも注目です。明日の雇用統計の発表を前に、インフレ動向を判断する重要な指標となるため、警戒が必要です。さらに、オーストラリアの小売売上高にも注意したいと思います。本日は、重要な経済指標の発表が続くため、発表内容を確認してから慎重にトレードに臨みたいと考えています。

今日の環境分析 2023年8月2日

 昨日発表されたオーストラリアの政策金利は、利上げ見送りとなりました。事前予想が利上げと据え置きで拮抗していたため、見送りになったことでバランスが崩れAUDが大きく下落しました。AUD関連通貨は前日比で1%以上変動することになりました。7月の米国のISM製造業景況指数は、予想を下回る46.4と9か月連続で50割れとなり、米国景気の後退局面入りを懸念する動きが強まることが想定されます。また、米国のJOLTS求人は求人数が減少し、2021年4月以来の低水準になるなど、米国経済への懸念材料が出てきています。加えて、今朝、米国の格付け会社大手であるフィッチは、米国の格付けを最上級格から一段格下げしました。このニュースを受けて、USDは下落方向に反応しています。市場全般では、月初でもあったことから、AUD関連通貨を除き小動きに推移しました。

 通貨相関からは、USDの強さが継続しています。EUR・GBPも堅調な展開になっています。対して、マイナー通貨全般に弱い状況になっています。AUDが急落したことから最弱通貨となりました。JPYは材料出尽くしから下落が続いていますが、USDJPYでみて上値は限定的に思われます。このため、安易にJPY売りのポジションは持ちにくい状況にあります。相対的な位置づけから、EUR・GBPの買いやAUD・NZDの売りを軸に通貨選択を考えたいと思います。

 本日は、米国のADP全米雇用報告に注目です。金曜日の雇用統計の発表を前に、連日、労働関連統計が発表されます。雇用統計に向けてポジションを持ちにくい状況にありますが、個々の統計内容から思惑的な動きが出てくるものと思われます。また、明日は英国の政策金利の発表があります。利上げが想定されていることから、GBPの動きには注意していきたいと思います。全般には、方向感をつかみにくい状況が続いているため、様子見していきたいと思います。

2023年7月の運用実績(スイング)

7月は、1,373.0pipsとなりました。月前半は、トレンド転換を確認する動きからMark2によるポジションを持ちました。第1決済ポイントで利確しましたが、早すぎる利確であったと反省しています。月後半は、まったくトレードしておらず、20日以降ポジションを保有しませんでした。今年に入って最低のトレード回数になりました。

10勝0敗、勝率100.0%、平均収益137.3pips、保有日数4.3日となりました。

今日の環境分析 2023年8月1日

 昨日発表された7月のユーロ圏消費者物価指数は、前年比+5.3%となり伸び率は3か月連続で減少となったものの、インフレ基調の高止まりを確認する結果となりました。一方、同時刻に発表された第2四半期GDPは年率換算+1.1%と3四半期ぶりにプラスとなりました。利上げに伴う景気への悪影響が懸念されますが、ECBの利上げ継続を支えるものとなりそうです。先週末の日銀の政策修正を受けて、大手銀行が住宅ローンの固定金利を引き上げました。これから徐々に金利上昇の動きが顕著になると思われます。しかし、目先のJPYは材料出尽くしと判断されたのか円安傾向が強まっています。多くのクロス円通貨が上昇しました。しかし、トレンドを確認するまでの動きにはなっておらず、Mark’s Tradeのスイングでは7月後半以降、まったくポジションを保有できない状況が続いています。

 通貨相関からは、下位足でJPYの弱さが際立ちました。また、EUR・GBPも反転の動きから弱い展開となりました。逆に、CAD・NZDの反発の動きが目立っています。方向感のない動きが続いており、月初でもあることから様子見したいと思います。ただし、政策金利の発表されるAUDの動きには警戒したいと思います。発表後の動き次第ではAUD関連通貨に注目できるかもしれません。

 本日は、オーストラリアの政策金利に注目です。市場では利上げと据え置きの見方が拮抗しており、発表後のAUDの動きに注意したいと思います。また、ISM製造業景況指数にも注目です。今週は金曜日の雇用統計を筆頭に米国の労働統計の発表が多く、JOLTSの求人統計にも注目しておきたいと思います。