今日の環境分析 2023年8月7日

 週末金曜日に発表された米国雇用統計は、雇用者数が18.7万人と市場予想20万人を下回る一方で、平均時給は前年比+4.4%の市場予想を上回る33.74ドルとなり、強弱入り混じる内容となりました。通常とは異なり雇用統計発表による変動幅は小さかったものの、USD安方向に向かいました。同時刻に発表されたカナダの失業率は、5.5%と市場予想並みだったものの、新規雇用者数が予想の+2.11万人を大きく下回る-0.64万人となりました。CADは下落傾向を強める結果となりました。

 通貨相関からは、マイナー通貨全般に弱い展開が続いています。金融引き締め策のゴールを確認しつつある動きと判断できます。日本を除く先進国はゴールを模索する段階に入ってきているため、マイナー通貨対比で相対的には強さを維持しています。逆に、金融引き締めにこれから向かうであろうJPYの強さを確認する結果になっています。マイナー通貨の売りを軸に通貨選択を組み立てたいと思います。

 今週は、木曜日の米国の消費者物価指数が最大の注目です。雇用統計では平均時給の上昇傾向からインフレ持続が確認できますが、消費者物価指数でインフレの鈍化を確認できるのかに注目しています。また、金曜日の生産者物価指数にも注目です。先週発表された製造業PMIでは景気後退懸念が強まっており、生産者物価指数でも景気後退を確認できる内容であるか否か注意が必要です。
 本日は、日銀の主な意見公表を注視しています。イールドカーブコントロールの政策修正を決定した際の金融政策決定会合のため、その内容を確認しています。内容次第ではJPYに大きな影響を与えかねないだけに、値動きに警戒していきたいと思います。なお、本日はオーストラリアとカナダが祝日のため、AUD・CAD関連通貨には慎重な姿勢で臨みたいと思います。