昨日発表されたADP全米雇用報告は、非農業部門雇用者数が前月比+32.4万人と、市場予想の+17.5万人を大きく上回りました。この内容を受けて米国景気の強さを確認した動きが金利の上昇につながり、USDは堅調な展開となりました。米国の格付け会社フィッチが米国債の格下げしたことを受けて、昨日の世界の株式市場は急落しました。しかし、同じ格付け会社大手であるS&Pはすでに2011年に格下げしており、今回のフィッチの格下げによる影響は過剰反応と思われます。世界的な株式市場の下落から、リスクオフのムードが広がってきたことに警戒したいと思います。市場全般では、一昨日のオーストラリアの金利据え置きの流れが続くAUDの弱さに連動してNZDも弱いことから、関連通貨の下落が目立ちました。日足ベースではレンジを抜けてきており、関連通貨のトレンドを確認できるようになってきました。
通貨相関からは、AUD・NZDの弱さが目立っており、オセアニア通貨売りの流れが続いています。JPYは下位足での弱さはあるものの、日足での強さが継続しています。クロス円通貨すべてが同時に上昇していないことから、円安の動きではないと判断しています。USD・EURの強さが継続していることから、USD・EURの買いやAUD・NZDの売りを軸に通貨選択を考えていきたいと思います。
本日は、英国の政策金利に注目しています。利上げ継続が市場予想になっていますが、先週の欧米の中央銀行総裁のハト派発言を受けて、BOE総裁の発言内容に警戒したいと思います。また、米国の新規失業保険申請件数やISM非製造業景況指数にも注目です。明日の雇用統計の発表を前に、インフレ動向を判断する重要な指標となるため、警戒が必要です。さらに、オーストラリアの小売売上高にも注意したいと思います。本日は、重要な経済指標の発表が続くため、発表内容を確認してから慎重にトレードに臨みたいと考えています。