今日の環境分析 2024年5月30日
昨日は、オーストラリアとドイツで消費者物価指数(CPI)が発表され、ともに予想を上回る強い数字となりました。オーストラリアでは利上げ検討を再開する動きになり、一時的にAUDは買われましたが、これまでの強さを背景に材料出尽くし感から反落しました。ドイツでは伸びが加速し、6月のECBの利下げは確実視されているものの、その先の利下げは難しくなってきた模様です。日本では、日銀の安達委員の発言で円高への動きが強まりましたが、市場の反応は一時的なものに終わりました。しかし、日本の長期金利は12年半ぶりの水準にまで上昇し、市場が日銀に利上げを催促しているかのようです。こうした動きから昨日は、上下へのブレが大きくなり、ヒゲの多いチャートなりました。終値ベースでの変化率は低水準のままですが、ボラティリティは高まってきました。4時間足では収束の動きを強めている通貨ペアが増えてきていることから、動き出しが近いと考えています。
通貨相関からは、NZDの強さが継続し、USD・GBPの強さが目立つ展開となりました。対して、AUD・CAD・EURの弱さが目立ち、近隣国通貨間の動向から実需ベースでの強弱感が見て取れます。JPYの弱さも継続していますが、介入警戒からクロス円の上値は限定的になっています。USD・GBPの買いを軸に通貨選択をしたいと思います。
強い通貨: NZD・USD・GBP
弱い通貨: JPY・CAD・EUR
日足 : NZD>GBP>EUR>AUD>USD>CAD>JPY
4時間足 : NZD・USD・GBP>AUD>EUR>JPY>CAD
本日は、米国の新規失業保険申請件数とGDPの改定値に注目です。足元で米国の強い経済指標が発表され、それが米国金利の上昇からUSDの強さにつながっています。また、ブラックアウト期間を前にFRB高官の発言には警戒したいと思います。明日は、月末の上、欧州圏のCPIや米国のPCEデフレーターなど重要な経済指標が発表されます。このため、明日に向けての様子見の展開も想定されますが、市場は動き出しの予兆があると判断しているため、値動きには警戒して臨みたいと思います。