USDはトレンド転換か?!_5/17(金)

今日の環境分析 2024年5月17日

 昨日、日本の第1四半期GDPが発表され、前期年率換算で2.0%減となりました。なかでも個人消費の低迷が顕著となり、自動車不正問題や能登半島地震、円安とマイナス要因が重なった結果です。第2四半期は回復が見込まれているため、JPYにとって大きな不安材料にはなりませんが過度な円安による物価上昇は個人消費への影響が大きいため、政府としても円安対応に迫られるものと思われます。オーストラリアの失業率は4.1%と市場予想の3.9%を上回り、AUDは一時下落しました。景気停滞懸念が高まりつつあると思われ、利下げ期待が高まってくるものと思われます。他の通貨対比で堅調な動きを見せていたAUDですが上値の重たさを意識する局面に入ってきたと考えています。米国の新規失業保険申請件数は予想を上回りましたが、USDへの影響は限定的でした。労働市場の需給ひっ迫緩和を裏付ける内容となったため、利上げの可能性はなく年内の利下げを意識する動きが強まる結果となりました。市場全般では、日本時間こそボラティリティが上昇しましたが、欧州・米国時間には急低下しており、調整の動きを強めています。

 通貨相関からは、USD・CADの弱い状況が続いており、次いで弱いJPYも軟調な展開が継続しています。AUD・NZDは強さを維持していますが、徐々に警戒していきたいと思います。EUR・GBPは中立的な動きを見せています。USD・CADの売りを軸に通貨選択をしたいと思います。

 強い通貨: AUD・NZD
 弱い通貨: USD・CAD

 日足   : AUD>NZD>GBP>EUR>CAD>USD>JPY
 4時間足 : NZD>AUD>GBP>EUR>JPY>CAD>USD

 本日は、市場への影響度の高い経済指標の発表はありません。方向感の乏しい局面にあり、週末であることから、様子見の展開が想定されます。膠着した状況では些細な情報に過剰反応することがあるので、値動きに警戒しつつも内容を吟味したうえで対応していきたいと思います。そのなかで、USDの動きには警戒したいと思います。足元のUSDの弱さは一部の経済指標の停滞を契機としたものですが、指標の内容とは見合わない弱さに通じているように思われます。利下げを見込んだ米国株式市場が過熱傾向にあることも懸念材料です。ドルストレート通貨の値動きには注視したいと思います。