今日の環境分析 2024年5月14日
昨日、日本銀行は3月の異次元の金融緩和の解除のあと、初めて国債の買い入れ減額を発表しました。長期金利が上昇し円高に向かいましたが、その反応は一時的なものにおわりました。円高への効果を考えたものと思われますが、期待外れに終わりました。市場全般は、明日の米国の消費者物価指数の発表を控えて様子見姿勢が強いですが、USDJPYは156円台まで戻ってきています。前回の円買い介入では160円と158円への到達が一つの目途になっていたため、156円台から上は介入への警戒感が強まるものと思われます。
通貨相関からは、JPYの弱さが継続しています。円買い介入への警戒感があるもののクロス円の戻りが堅調です。ただ、USDの弱さが目立つため、USDJPYの上値の重さにつながっています。NZDが反落し、GBPが反転するなど、月初からの流れに反する動きが強まりました。AUDの買い、USD・JPYの売りを軸に通貨選択をしたいと思いますが、JPYの介入警戒とUSDのCPI待ちを考慮すると安易なポジション保有には注意したいと思います。
強い通貨: AUD・CAD・GBP
弱い通貨: JPY・USD
日足 : AUD>NZD>EUR>CAD>GBP>USD>JPY
4時間足 : GBP・AUD・CAD>EUR>NZD>USD>JPY
本日は、米国の生産者物価指数(PPI)に注目です。明日の消費者物価指数(CPI)が今週最大の注目材料となるため、様子見姿勢が強まっています。PPIは経済活動においてCPIの前工程にあたるものなので、本日のPPIが明日のCPIに向けた前兆として動き出す可能性が否定できないので警戒しておきたいと思います。また、英国の失業率やドイツZEW景況感調査にも注目です。英国・欧州の経済情勢を反映したものとなるので、GBP・EURへの影響は少なくないと考えています。さらにFRB議長の発言が予定されています。大きなサプライズはないと予想していますが、警戒しておきたいと思います。