米雇用統計とJPYの動きに注目!_3/8(金)

今日の環境分析 2024年3月8日

 昨日は、朝方から今月の日銀金融政策決定会合においてマイナス金利政策の解除を発表するとの見方が強まり、さらに日銀中川審議員は2%目標実現へ「着実に前進」と発言したこともあり円高が加速し、USDJPYは147円台まで下落しました。大手企業の賃上げが前倒しで発表されていることも、金融政策変更観測の背景にあるように思います。3月は多くの企業が決算期末を迎えるため、レパトリエーション(国内への資金還流)による想定外の円高に警戒したいと思います。ECBは、事前の予想通りに政策金利を据え置きました。賃金上昇に伴うインフレ再燃懸念から慎重な姿勢を示し、ECB総裁は6月利下げを示唆するなど従来と変わらない想定通りの内容となりました。この内容からEURは一時売り込まれる局面がありましたが、その後反発しています。市場全般には、クロス円通貨を中心にボラティリティが高まり、日足では多くの通貨で売り買いの分岐点と判断しているミドルバンドをまたぐ動きとなりました。ここから方向感のある展開が期待できると考えています。

 通貨相関からは、JPYの強さが際立ちました。AUD・NZDは反発の動きを強め、USD・CADの弱さが継続しました。AUD・NZDの反発の動きを受けて、EUR・GBPの相対的な強さは減退しました。JPYの強さは上位足に波及してきていることから持続性のあるものと考えています。このため、JPYの買いやUSDの売りを軸とした通貨選択をしたいと思います。ただし、USDに関しては今夜の雇用統計の発表を控えていることから、慎重な姿勢で臨みたいと考えています。

 強い通貨: JPY・AUD・NZD
 弱い通貨: USD・CAD・EUR

 日足   : EUR>AUD>GBP>JPY>NZD>CAD>USD
 4時間足 : JPY>AUD>NZD>GBP>CAD>EUR>USD

 本日は、米国の雇用統計が最大の注目材料です。先月、市場予想と大きく上振れるサプライズとなったことから、1月データが下方に改定される可能性が想定されます。2月分のデータと合わせた判断が必要となることから、通常以上に発表後の動きに注意したいと思います。また、カナダの失業率にも注目です。米国経済圏としての雇用環境の実態把握が求められます。
軟調な展開を続けるUSD・CADの動きには警戒したいと思います。再来週には米国のFOMCを控えていることから、FRB高官のブラックアウト期間入り前の発言には注意したいと思います。
 週明けから、米国では夏時間に変わります。日本時間対比で1時間前倒しになります。ちなみに英国と欧州の夏時間入りは3月31日から、オセアニアの冬時間入りは4月7日からになります。

ECB政策金利・総裁発言に警戒!_3/7(木)

今日の環境分析 2024年3月7日

 昨日、米国FRB議長の議会証言がありましたが、サプライズな内容はありませんでした。自信を深めるまで利下げをしないと発言し、利下げ開始時期に関してはあいまいな内容となりました。昨年のシリコンバレーバンクの経営破綻から一年がたち、一部の地方銀行に経営不安が高まっています。高金利の影響を受けた商業用不動産市場の停滞から、これら物件への融資割合の高い銀行不安が出てきています。高金利持続の弊害があらわれてきているとも考えられることから、今後のFRBの金融政策へ影響を与えることは必至と思われます。米国の労働統計では、ADP全米雇用報告では+14万人増と予想の+15万人増を下回り、JOLTS求人数でも予想を下回りまりました。前日のISM製造業景況指数の雇用指数を含め、労働需給の悪化がみられます。明日の雇用統計に一段と注目が高まります。カナダの政策金利は据え置き、利下げ検討は時期尚早と判断されています。市場全般は小動きに推移しました。

 通貨相関からは、EUR・GBPの強さが継続し、JPYが再び強さを盛り返してきました。JPYは、週足・日足で最下位から脱出し、足元の動きが徐々に上位足に波及しているようです。その分、USDの弱さにつながっている模様です。USDにつれてCADの弱さが継続し、AUD・NZDは中立的な位置づけになっています。相対的な強さを持続しているEUR・GBPの買いに対し、下落姿勢を強めてきているUSDの売りを軸に通貨選択をしたいと思います。ただし、EURは本日のECBの政策金利の発表を視野に入れて慎重な投資スタンスで臨みたいと思います。

 強い通貨: GBP・EUR・(JPY)
 弱い通貨: CAD・USD・(NZD)

 日足   : AUD>EUR>GBP>NZD>USD>JPY>CAD
 4時間足 : GBP>JPY>EUR>AUD>NZD>CAD>USD

 本日は、欧州中央銀行(ECB)の政策金利とECB総裁の発言に注目です。金利据え置き見通しとなっていますが、総裁発言において利下げ開始時期に言及した内容に注目したいと思います。内容次第で足元堅調な展開が続くEURの動きに変化が生じるのか、加速するのか警戒したいと思います。また、米国FRB議長の議会証言が昨日の下院に続き上院で行われます。前日の発言内容と大差ないと想定されるため、サプライズはないと思われます。本日は米国の新規失業保険申請件数が発表されます。これは、他の月次で発表される経済指標と違い、週次で発表されています。このため、足元の動向を最も顕著に示すので、明日の雇用統計の発表を前に警戒したいと思います。

米FRB議長の議会証言に警戒?!_3/6(水)

今日の環境分析 2024年3月6日

 昨日は、東京都区部の消費者物価指数が発表され、2か月ぶりに2%台に乗せてきました。政府の光熱費抑制策の反動によるものです。物価上昇率は基調的には鈍化していることを確認することになりました。米国の2月のISM非製造業景況指数は、前月比-0.8の52.6と市場予想の53.0を下回りました。なかでも同指数の中で雇用指数が悪化したことが嫌気され、USDJPYは150円割れの局面がありましたが、その後、150円台に戻り頭の重い展開がつづいています。クロス円全般に軟調な展開になりました。

 通貨相関からは、JPYは再び相対的に弱い通貨群にもどりました。AUD・NZDの反発の動きが見られる一方で、EUR・GBPが堅調を持続していることから、相対的にJPY・USDの弱さにつながっています。CADもUSDにつれて弱い展開になっています。このため、上位足から下位足まで相対的な強さを維持しているGBPとEURの買いを軸にした通貨選択を継続したいと思います。

 強い通貨: GBP・EUR
 弱い通貨: CAD・USD・JPY

 日足   : EUR>GBP>USD>AUD>NZD>CAD>JPY
 4時間足 : GBP>EUR>NZD>AUD>USD>JPY>CAD

 本日は、FRB議長の議会証言とカナダの政策金利に注目です。FRB議長からは利下げの時期に関する発言に警戒したいと思います。金曜日と昨日発表されたISM景況指数が市場予想を大きく下振れるなど、景気停滞の兆候を示す経済指標の発表が続いています。週末に雇用統計の発表を控えていることから明確な表現は期待しづらいですが、本日の議会証言の一言一句に反応する可能性もあるので警戒しておきたいと思います。カナダの政策金利は据え置き見通しとなる見込みでサプライズはないと思いますが、BOC総裁の記者会見の場でFRB議長同様に利下げ時期に言及するのかが注目されます。そのほか、オーストラリアのGDPの発表を受けて、軟調な展開の続くAUDの動きが加速するのか反転するのか注意したいと思います。また、米国では週末の雇用統計に向けて労働統計の発表が相次ぎ、本日はADP全米雇用報告とJOLS求人が予定されています。昨日のISMにおいて雇用環境にUSDが反応したように、個々の発表内容を注視したいと思います。

日銀総裁発言に注意?!_3/5(火)

今日の環境分析 2024年3月5日

 昨日は、日経平均株価が4万円の大台に乗せるなか、日経平均株価と連動する傾向の強いAUDの上昇がみられました。USDJPYは150円台で推移しているものの、レンジ内から脱却する様子がみられません。USDの強さが低下していることから、USDJPYのレンジ抜けにつながらない模様です。今週予定されている米国の多くのイベントが、USDの方向性を決定づけるのではないかと考えています。

 通貨相関からは、USDの弱さが確認できます。昨日は、前週までの反発の動きが強まり、これまで弱さを示していたGBPが上昇し、上位足でも相対的な上位を占めるようになりました。USDとともにCADの弱さが目立つようになり、EURはGBPとともに堅調な動きとなりました。JPYの下位足での強さは減退しましたが、USDよりも強いためUSDJPYの上値を重たくしている様子です。上位足から下位足まで相対的な強さを示すGBPとEURの買いを軸に通貨選択をしたいと思います。

 強い通貨: GBP・EUR
 弱い通貨: CAD・USD

 日足   : EUR>GBP>USD>NZD>AUD>CAD>JPY
 4時間足 : AUD>GBP>EUR>JPY>NZD>USD>CAD

 本日は、東京都区部の消費者物価指数に注目です。全国消費者物価指数の発表は月末になるので、18-19日の日銀金融政策決定会合に影響を与える物価統計として、重要な経済指標の位置づけとなります。昼過ぎには日銀総裁の発言が予定されており、3月の金融政策の方向性を確認することができるのか注目しています。また、米国のISM非製造業景況指数にも注目です。先週末に発表された製造業景況指数は悪化しましたが、非製造業は景気の分岐点となる50を上回り続けています。前週の製造業のサプライズの後だけに警戒しておきたいと思います。さらに、中国では全国人民代表会議(全人代)の開幕や米国の大統領選挙の最重要日とされるスーパーチューズデーとなります。今後の世界経済に大きな影響を与える可能性があるので、注視しておきたいと思います。

明日から材料多く警戒!今日は様子見?!_3/4(月)

今日の環境分析 2024年3月4日

 週末金曜日、植田日銀総裁は「2%の物価目標の実現を見通せる状況にはまだ至っていない」と発言し、前日の高田日銀審議委員の発言を否定する慎重な姿勢を示しました。3月18-19日に開催される日銀金融政策決定会合におけるゼロ金利解除を否定したと判断され、JPYが急落しました。その後に発表された米国の2月のISM製造業景況指数は、47.8と市場予想の49.4を大きく下回るサプライズとなりました。景気判断の分岐点とされる50割れが16か月連続し、製造業の景気鈍化が継続していることをうけ、USDは急落しました。この結果、USDJPYは前日とほぼ変わらずの水準で終えました。

 通貨相関からは、下位足でJPYの強さが継続しています。依然として日足以上の上位足では最弱通貨になっていることから、足元の動きがどこまで上位足に波及してくるかが注目です。クロス円は、金曜日にコメントしたように日足のミドルバンドでは反発の動きを強めています。足元の下落を受けて再びミドルバンド抜けを試す展開が想定されます。GBPを除くメジャー通貨は強さを維持しており、GBPとマイナー通貨の弱さとの対比が顕著になっています。GBPを除くメジャー通貨買い、マイナー通貨売りの通貨選択を継続したいと思います。

 強い通貨: JPY・USD・EUR
 弱い通貨: AUD・NZD・GBP

 日足   : NZD>GBP>EUR>AUD>USD>CAD>JPY
 4時間足 : JPY>USD>EUR>CAD>AUD>GBP>NZD

 今週は、火曜日から重要なイベントが続くため、ボラティリティの高い展開が想定されます。火曜日に東京都区部の消費者物価指数と米国のISM非製造業景況指数、水曜日にカナダの政策金利と米FRB議長の議会証言、木曜日にECBの政策金利の発表、金曜日に米国の雇用統計とカナダの失業率と市場インパクトの大きい重要な経済指標の発表が続きます。なかでもECBの政策金利に注目です。金利据え置き見通しですが、欧州各国の消費者物価指数が予想を下振れしインフレ鈍化が顕著になっていることから、総裁会見において6月と予想される利下げ時期の前倒しを示唆するのか注目されます。また、米国の雇用統計では前月は市場予想を大きく上回る結果にUSDが急伸しただけに、今回発表される前回の改定値に注目が集まっています。週を通して米国の労働統計が連日発表されるため、その内容にも警戒しておきたいと思います。
 また、火曜日には米国大統領選挙の候補者決定に最大の焦点となるスーパーチューズデーが開催されます。共和党の候補者としてトランプ前大統領が決定的になり、木曜日のバイデン大統領の一般教書演説とともに、米国の政治動向がUSDに与える影響が大きいと思われます。
 本日は、注目すべき経済指標の発表はありません。明日からの重要なイベントを前に、様子見の姿勢が強まるものと思われます。

欧CPI・米ISMに注目!_3/1(金)

今日の環境分析 2024年3月1日

 昨日、日本銀行の高田審議委員が「極めて強い金融緩和からのギアシフトに向けた検討が必要」と講演の中で発言しました。マイナス金利政策からの早期転換に前向きの姿勢を示し、円が上昇しました。USDJPYは149円台前半まで下落しましたが、その後、USDの反発の動きから149円台後半にまで戻しました。しかし、USDJPY以外のクロス円通貨は円の強さが持続したことから下落しました。米国では、FRBが金融政策に重視している個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)が発表され、市場予想通りの前年同月比+0.4%と伸び率が鈍化しました。6月からの利下げ開始見通しを確認する結果となりました。また、米国の新規失業保険申請件数は4週ぶりに増加しました。来週金曜日の雇用統計が注目されます。

 通貨相関からは、足元のJPYの強さが際立ちます。日足で最弱通貨なのに対し、4時間足では最強通貨になっており、JPYの反転の動きが顕著になっています。USDの強さも継続しているため、USDJPYの動きは鈍い状況ですが、その他のクロス円通貨の下落は加速しています。クロス円通貨の多くが日足のミドルバンド(20MA)に近づいており、抜けてくるのか注目しています。JPYを含めたメジャー通貨の強さが目立つなかで、GBPの弱さが見られる展開になっています。マイナー通貨の弱さは継続していることから、マイナー通貨売り、GBPを除くメジャー通貨の買いの通貨選択をしたいと思います。

 強い通貨: EUR・USD・JPY
 弱い通貨: AUD・NZD・CAD

 日足   : NZD>EUR>USD>GBP>AUD>CAD>JPY
 4時間足 : JPY>USD>EUR>CAD>GBP>AUD>NZD

 今日から3月になりました。日本では多くの企業が決算期末を迎えます。期末が近づくにつれて海外資産の国内還流の動きが強まると思われ、円高方向への動きには警戒したいと思います。本日は、米国のISM製造業景況指数が最大の注目材料です。景気判断の分岐点とされる50にどこまで近づくのか注目しています。また、欧州の消費者物価指数にも注目です。欧州のインフレが減速しているのか、内容次第でEURが大きく動く可能性があるので警戒したいと思います。また、中国のPMIにも注意しておきたいと思います。

米PCEデフレーターに警戒!_2/29(木)

今日の環境分析 2024年2月29日

 昨日発表されたオーストラリアの消費者物価指数は、前年比+3.4%と市場予想の+3.6%を下回り、AUDの下落が目立つ展開となりました。また、ニュージーランドの政策金利は金利据え置きとなり、サプライズの利上げを期待していた筋の失望売りから、NZDの下げが加速しました。市場全般では、月間の方向性に沿った動きになりましたが、NZD関連通貨以外は小動きに推移しました。

 通貨相関からは、AUD・NZDに加えCADの弱さも継続しており、マイナー通貨全般の軟調さが目立つ展開になっています。対して、メジャー通貨の強さが顕著になってきています。メジャー通貨内の強弱感に明確な差が見られないことから、メジャー通貨同士の通貨ペアは方向感がつかみにくい状況が続いています。マイナー通貨売り、メジャー通貨買いの通貨選択をしたいと思います。

 強い通貨: EUR・USD・GBP
 弱い通貨: AUD・NZD・CAD

 日足   : USD>EUR>GBP>NZD>AUD>CAD>JPY
 4時間足 : EUR>USD>GBP>JPY>CAD>AUD>NZD

 本日は、米国のPCE(個人消費支出)デフレターに警戒しています。FRBが消費者物価指数(CPI)以上に重要視している指標です。これまでに発表されたCPIなどの物価統計が上振れしたことからPCEデフレーターの上振れが想定されており、利下げ開始時期を確認する動きからUSDは堅調な展開になると思われます。逆に、想定外の数字の場合はUSD反落の動きを強めることが想定されるため、その内容には注意しておきたいと思います。また、オーストラリアの小売売上高にも注目です。昨日は消費者物価指数の下振れでAUDが売り込まれましたが、また同様になる可能性を意識しておきたいと思います。本日は、月末になるため、ポジション整理の動きにも注意が必要です。

ニュージーランドの政策金利に注意!_2/28(水)

今日の環境分析 2024年2月28日

 昨日は、日本の全国消費者物価指数が発表され、生鮮食品を除く総合指数が前年同月比+2.0%となり、市場予想を上回ったものの3か月連続で伸び率が鈍化しました。この結果がJPYに影響を及ぼすことはなかったものの、足元で弱さが軽減される動きが高まっています。市場全般では、依然として低いボラティリティ水準にあり、方向感のつかみにくい展開が続いています。

 通貨相関からは、EUR・GBPの強さが持続しています。堅調だったNZDを含めマイナー通貨が軟調な展開になってきた結果、JPY・USDの相対的な強さが高まり、メジャー通貨全般の強さが顕著になってきました。EUR・GBPを軸にメジャー通貨の買い、マイナー通貨売りの通貨選択をしたいと思います。

 強い通貨: GBP・EUR
 弱い通貨: AUD・NZD・CAD

 日足   : NZD>EUR>USD>GBP>AUD>CAD>JPY
 4時間足 : GBP>EUR>JPY>USD>AUD>CAD>NZD

 本日は、ニュージーランドの政策金利の発表に注目です。市場予想は金利据え置きですが、利上げの可能性も否定できません。もし利上げすることになれば、時期的に遠のいたとはいえ先進国の利下げ機運に水を差す可能性が高まります。その場合、日本を除く主要国の高金利維持を背景とした金利差に注目したJPY売りの動きが強まると思わられ、警戒しています。またオーストラリアの消費者物価指数にも注目です。さらに米国のGDPの改定値にも注意したいと思います。通常、改定値ではサプライズがないため注目度は低いですが、このところの経済指標の内容からサプライズのある改定値になることも想定されるため、警戒しておきたいと思います。

円安の持続性に注意?!_2/27(火)

今日の環境分析 2024年2月27日

 昨日は、連休明けの日本で日経平均株価が最高値を2営業日連続で更新しました。円安を背景とした株価の強さが見られますが、USDJPYは151円を前に高値圏でのもみ合いが続いています。USDJPYは介入警戒を意識した動きが強くみられますが、他のクロス円通貨は年初来の高値を追う動きにあります。しかし、一部のクロス円通貨には頭を押さえられる動きが見られるようになってきました。株価の急速な上昇への警戒とともに、3月期末に近づくことで円安の動きは弱まるものと考えています。

 通貨相関からは、NZDの強さが止まりました。明日のニュージーランドの政策金利発表を控え、ポジション解消の動きが強まった模様です。AUD・CADとともにマイナー通貨の弱さが目立つようになり、相対的にEUR・GBPが堅調な動きが顕著となってきました。JPY・USDは軟調な状況が継続しています。EUR・GBPを軸とした通貨選択をしたいと思います。

 強い通貨: GBP・EUR
 弱い通貨: JPY・USD・AUD

 日足   : NZD>EUR>USD>GBP>CAD>AUD>JPY
 4時間足 : GBP>EUR>NZD>CAD>USD>AUD>JPY

 本日は、日本の全国消費者物価指数に注目です。日銀の金融政策への影響を与えることになりますが、期待は薄いですがゼロ金利解除につながる内容になるのか注目しています。その他、重要な経済指標はありません。月末を控え、ポジション整理の動きが出てきていることから、本日も方向感のつかみにくい展開が想定されます。

様子見気分強く見送り?!_2/26(月)

今日の環境分析 2024年2月26日

 先週末金曜日は、日本が祝日だったことや市場インパクトのあるイベントがなかったことにもあり、ボラティリティが低下しました。市場全般には小動きに推移しました。主要先進諸国の株価が最高値を更新しており、マネーの流れが株式市場に大きく傾いているため、FX市場に勢いが見られません。方向感のつかみにくい局面が続いています。

 通貨相関からは、NZDの強さ、JPYの弱さが継続しています。21通貨でみても、NZDJPYが最も強い通貨になっています。今週、ニュージーランドでは政策金利の発表が予定されており、据え置き見通しとなっていますが、一部には利上げを予想する向きもあります。この2通貨を除いた通貨は方向感がつかみにくい状況にあるなかで、GBPは堅調な動きを確認することができます。USDは下位足の弱さと上位足の強さと強弱マチマチですが、EUR・GBP対比で相対的な弱さを確認することができます。このため、JPY・USDの売りを軸に通貨選択をしたいと思います。

 強い通貨: NZD・GBP
 弱い通貨: JPY・USD

 日足   : NZD>USD>EUR>GBP>CAD>AUD>JPY
 4時間足 : NZD>GBP>CAD>AUD>EUR>USD>JPY

 今週は、火曜日に日本の全国消費者物価指数、水曜日にオーストラリアの消費者物価指数とニュージーランドの政策金利の発表、木曜日にカナダのGDPと米国のPCEデフレーター、金曜日にユーロ圏の消費者物価指数と米国のISM製造業景況指数に注目です。なかでも米国の2つの指標は、FRBの金融政策に大きな影響を及ぼすため、警戒したいと思います。本日は、重要な経済指標の発表はありません。日本では3連休明けとなるため、株式市場の動向を含め日本時間の動きに注意しておきたいと思いますが、大きな動きは期待しづらい状況にあります。全般に収束の度合いを強めており、方向感を探るのが難しい展開にあるため、動き出しを待ちたいと思います。